「〇〇歳だから」という呪縛
「この歳でこれを着たら変かな」「もうこの趣味も卒業しなきゃ」「若作りだと思われちゃう…」
「もう〇〇歳だから」と、周りの目を気にして本当は「好きなもの」を年齢で諦めてしまうことは、悲しいけれどよくある話です。
筆者自身も諦めた経験がありますし、周囲からもそんな話を何度も聞いた覚えがあります。この記事を読んでくださっているかたも、経験があるかもしれません。
たとえばそれが体力的な理由から「もうマラソンは続けるのが難しい」というなら、まだわかります。
服装の変化として考えても、以前はポップなデザインの服が好きだったけれど最近は落ち着いた印象のコーデが好きになったからとか、「いまの気分じゃない」「こっちのテイストも似合う気がする!」とポジティブな理由から服装の系統を変えるのと、「もう〇〇歳だからこういうデザインは着てはいけない」と服の系統を変えるのではやはり違います。
年齢で、着る服や趣味を変えること自体が悪いのではありません。大切なのは、納得感です。
特に女性は、ときに親や身内から、ときにメディアから年齢に合わせて「これはもう諦めるべき」と言われてきました。人によっては、いまでも言われているかと思います。
場合によっては、直接「もうその服装はやめたら?」と言われたことがあるかたもいるのでは。
そういうふうに言われると思うと、まだ言われてもいないのに言われることを懸念して、先回りしてやめているかたもいるのではないでしょうか。もうそれって、まるで年齢の呪いのようです。
本当は好きなのに、したいのに、周囲や世間の誰かから年齢不相応だと言われたくないから手放したものとの再会。はな代にとってそれはメイクや学ぶこと、そして恋をすることでした。
『はなものがたり』は、はな代が年齢の呪いをはらって、素敵だと心から思えるものと改めて再会していく物語だと筆者は考えます。
年齢の呪いは、20代でも30代でも40代でもそれぞれかかってしまうことがある困ったものです。
それをおばあちゃん世代のはな代が表情を明るくして断ち切っていく姿は、どの世代から見ても勇気づけられるので、「もう○○歳だから」と何かを諦めようとしているかたには特におすすめです。