子どもの人数によって女性の幸福度は変化する!?
「子どものいる女性は子どものいない女性よりも幸福度が低い」という話をしましたが、子どもの人数によってさらに幸福度が低下するという研究結果もあるのです。
先ほど紹介した、拓殖大学准教授の佐藤一磨教授の研究のなかで「子どもの数別の既婚女性の生活満足度」というものがあります。
その研究では、子どもの数が多い女性ほど「幸福度が低い」という結果が出たのです。
私は、この結果が、まさにいま騒がれている「少子化」につながっているのではないかと思いました。
子どもの数が増えることで女性の幸福度が低下するのは、子ども自体が女性の満足度を下げているわけではなく、次のようなことが要因ではないかと考えます。
「経済的な負担」「夫婦関係の悪化」「家事育児の負担増」などです。
子どもが増えると、どうしてもお金がかかってしまいます。最近は、物価は上がるものの賃金は伸びづらい状況。そんな状況で子どもが一人増えるとさらに金銭状況は厳しくなるのは、当然のことですよね。
また、子どもが増えるとその分、育児にかける時間も大きく増加します。
そして、子どもの数が増えることで女性の幸福度が低下する要因として注目したいのが、「夫婦関係の悪化」。
私も1人目出産後、そして2人目出産後直後夫婦関係が悪化したことがあります。そして、夫婦喧嘩が増えたのも事実です。
なぜ、子どもを持ち、子どもの数が多くなると夫婦仲が悪化するのか?
多くの場合、夫側に父親としての自覚が足りないこと、子ども優先の生活があたりまえになり、夫婦2人で過ごす時間が取れないことが原因だと考えます。
男性の育休取得率が上がってきてはいますが、まだまだ女性の負担が大きいように感じます。
少し前に「取るだけ育休」というワードも話題になりましたよね。男性の育休取得率が上がっても、少子化が解消されず、女性の幸福度が上がらないのは、男性が育休を取得しても女性の負担が減らないからではないでしょうか。
子どもが生まれたら育児は2人でするのが当たり前、家事も分担してするのが当たり前だと思うのですが、夫のなかには「手伝う・サポートする」と手伝う感覚でやっている人がまだまだ多くいるなと感じています。
そして、そんな人たちのなかには妻に言われるまで行動しない人も多い。そして具体的な指示をしないと行動できない。妻に言われなくても自分で率先して育児をし、父親としての自覚を持つべきです。
家事育児を手伝うという感覚の男性の意識を変えることで、妻の幸福度も少しは改善されるのではないでしょうか。
また、子どもがいるなかでも「夫婦の時間」を大切にすることも妻の幸福度を上げることにつながるのではないでしょうか。
子どもを持つことで女性が幸せを感じられると思えるような政策が必要
さまざまな少子化対策が実施されていますが、子育て世帯の生活はまだまだ厳しいのが現状です。
経済政策はもちろんのこと、家庭内において女性に偏る家事・育児負担の軽減を行うことなど、やるべきことはたくさんあるかと思います。
そもそも、子持ち女性の幸福度が上がらなければ少子化は解消されません。こういったことも念頭におきながら、少子化対策に取り組んでもらいたいものです。
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