20歳年上の夫とマイペースな高1息子と暮らすアラフィフ主婦ライター、塩辛いか乃です。
マイペース息子は現在高校1年生。提出物無視、学校のお手紙はグチャグチャとあまりのマイペースさに、内申点が大事な高校受験で戦い抜くのは親子ともにメンタルが持たないと判断し、中学受験では中高一貫校に進学。
一貫校はよくも悪くも中学から高校にあがるときに顔ぶれが変わらないため「高校生になった」という自覚が薄いので、マイペース息子はなんとなく中学気分を引きずったまま高校生になりました。
「文理選択」の難しさ
息子の学校では、2年生から文系・理系と進路によってクラス分けがあります。
1年生の秋ごろから希望調査が始まり、年明けには最終決定が必要。それまでに、大学の希望進路に合わせて文理選択をしなくてはいけません。
ですがわが家のマイペース息子は、自分の進路に無頓着。2年も先の大学進学に向けて何かを調べるなんてこと、するわけがありません。
だけど文理選択後のクラスを見ると、明らかに「つぶしが効かない」コマ編成。
文系に行くと理科はほとんどやらず、理系に行くと社会がサワリ程度。共通テストで受験に全教科必要になる国立志望者もあまり多くないのか、またクラス数も少なく、教師の数にも限りがあるなど編成上の問題もあってか、なかなか振り切った選択肢になっていました。
学校からも文理選択のガイダンスがあったようですが、「苦手よりも好きなことを取ろう」「大学でやりたいことがある学部を見つけて、それに合った受験科目がある方に行こう」などと働きかけてくれるのですが、そんなものに息子が重い腰を上げるはずがありません。
「興味?うーんゲーム。っていうか俺勉強嫌いだし、大学も勉強したいっていうよりは行っておいた方がいいかなって感じだから、これを学びたいとかないんだよねぇ。しいて言えば、ゲームとかイラストを描くとか自分の趣味ができる時間がほしいなぁ」
この子に大学に行かせる意味はあるのか…と自問自答しつつ、こういう、ぼんやりした子だからこそ、大卒というカードだけでも持たせておこうという親心。過干渉とでもなんでも言ってくれ、こっちが待ってられないんだよ。
文理選択の選び方も「好きなことから選ぶ」「得意不得意で選ぶ」などいろんな選び方があるけれど、困ったことに息子は「得意不得意で選ぶ」にも、あまりに勉強しなさ過ぎてすべての成績が残念なので「得意」と言えるものがありません。
唯一現代文の読解だけは何もしなくても割とよい点数が取れますが、別に本が好きというわけでもなく、文理選択の指標に行くほどではない。じゃあ好きなこと、となっても息子としては大学で学びたいことと聞かれてもピンとこない。
けれど、わたしが息子を育ててきてずっと感じているのは、生物への興味。
小さいころから昆虫や恐竜の図鑑についているDVDをエンドレスで見ていたり、恐竜展をはじめ科学博物館には小学校から毎年足を運んだり。NHKスペシャルの生物の進化のテレビも録画を何度見たかわからないほど。
そのため生物系の雑学に関しては異常に詳しく、ときどき息子が嬉しそうに話す雑学も「地球の歴史のなかで一番すごいのは昆虫だ」とか「水着はサメの肌を模して造られているもので、そういうのをバイオミメティクスという」だの嬉々として話す内容はほとんどのことが生物の話。
いったいどこでそんな情報を仕入れているのかと聞くと、YouTubeでもそういう雑学のものを見ているのだとか。
ただ、残念ながら彼の知識のほとんどは「理科」として教科書に載っていることとは別物。理科の成績もふるいません。数学に至っては「無理」と言い出す始末。
親のわたしから見ると、息子の知識はある種オタク的なので、せっかくならこの生物への興味を発展させられる学部に行けばいいのにな、と思うのですが、息子はそれもあまり乗り気ではなく「別に大学でやりたいってわけじゃないし」と言います。
それでも選択の締め切りは迫ってくるので、とりあえずオープンキャンパスに息子を誘い、息子の興味に近そうな学部を訪れてみました。
それはそれで楽しんだようですが「オープンキャンパスに行ってあげたからなんか買え」と報酬を要求される始末。まだまだ自分ごととはほど遠い。この子に選べと言うほうが難しい。
そうこうするうちに文理選択のアンケートが配られていましたが、関心がない息子は放置。催促されて「とりあえず理系」と出していました。
その後「数学が嫌いすぎるからやっぱ文系行く!」と言い出したり、あれこれありましたが、最終的に理系に。なんだかんだで、ほぼわたしのリードになってしまいました。