こんにちは。韓国在住歴3年、日本語教師でライターのHAZUKIです。
by themで週ごとに「韓国で話題になった日本のニュース」をお届けしていますが、今回は2021年5月に「韓国で話題になった韓国国内のニュース」をご紹介します。
韓国芸能・スポーツ界の「いじめ#MeToo運動」
5月に韓国国内のメディアをもっとも賑わせたのは、「芸能人の過去のいじめ問題」です。
日本のネットニュースやワイドショーなどでも取り上げられていたので、ご存知のかたもいるのではないでしょうか。
この「芸能人の過去のいじめ問題」の発端は、今年の2月に「韓国の双子姉妹の美人バレーボール選手、イ・ジェヨンさんとイ・ダヨンさんから過去にいじめを受けた」という告発がネットにアップされたことです(参考:FRIDAY DIGITAL)。
告発されたいじめの内容は、学生時代に姉妹がチームメイトをパシリにしたり、そのときの気分で殴ったり、あるときはナイフで脅迫したり…とかなり強烈です。告発者は、「自分はいじめですべてを失ったのに、いじめの加害者がいまや韓国の“スター”として扱われているのを見るのが本当につらい」と語っていました。
この告発はあっという間に広まり、所属チームが謝罪を行いました。また姉妹も事実を認め、以下のような謝罪メッセージをSNSで公開しています(現在は削除済み)。
『分別がなかった過去、無責任な言動で多くの方々を傷つけてしまいました。心より謝罪します』(イ・ジェヨンの謝罪文より)、『被害者が持つトラウマについて深い罪悪感を持ち、自粛し反省する姿を見せる(イ・ダヨン謝罪文より)』(引用:ワウコリア)
しかしネット上での非難はやまず、ついには所属チームが姉妹に対し、今後の出場停止を通告。韓国バレーボール協会は代表選手資格を無期限で剥奪することを決定しました(参考:現代ビジネス)。
過去にいじめを行なった側が因果応報を受けたこの「女子バレーボールいじめ事件」をきっかけに、芸能人やスポーツ選手のいじめの告発する「いじめ#MeToo運動」が起こりました。
さまざまな意見があると思いますが、私はこの風潮は悪くないと思います。
悪事を働いた人が、過去の自分の行いを隠蔽したり正当化したりしながら生きていくことは、到底正しいこととは思えないからです。たくさんのファンを抱える芸能人やスポーツ選手たちの影響力を考えるとなおさらです。
しかし、ここで注意しなくてはいけないのが、「デマの告発も少なくない」ということです。
現代ビジネスも告発者が後に告発内容が虚偽だったと認めた事例を紹介していますが、実際に、事実無根のデマのせいで大きな被害を受けた芸能人も存在します。
『サイコだけど大丈夫』ソ・イェジに相次ぐ「いじめ告発」
さて、いじめ告発騒動の経緯に説明したところで、韓国国内で5月にもっとも話題になった「芸能人のいじめ問題」をご紹介しましょう。
それは、日本でも人気の韓国ドラマ『サイコだけど大丈夫』に主演したソ・イェジさんに対するいじめ告発です。もともと知名度のある方でしたが、『サイコだけど大丈夫』がヒットしたことでより高い評価を受けていました。演技力、美貌、そして抜群のスタイルが魅力の女優です。
しかし「いじめ#MeToo運動」により、学生時代のいじめが暴露され、そこから火がついて、スタッフにパワハラを行なっていたことや彼氏をまるで奴隷のように扱っていたことが、次々と明るみに出てきました。
当初、学生時代のいじめ告発について沈黙していたソ・イェジさんですが、彼氏とのメッセージのやり取りがネット上に出回ってしまい、それを韓国の放送局(SBS NEWS)が取り上げたことで、本人も事実を認めて謝罪することになりました。
事態が少し収まってきたころ、次は一緒に働いていたスタッフがソ・イェジさんから受けたパワハラをネットに書き込み、再び炎上。常日頃から悪口を言うのは当たり前で、マネージャーやスタッフを道具のように扱っていたエピソードなどがどんどん出てきました。
こうしたことから、ネットでは「『サイコだけど大丈夫』の演技がよかったのは、本人もサイコだからだ」という皮肉も上がったほどです。これからのキャリアが期待されていた女優だけに、ショッキングな事件でした。
「いじめ#MeToo運動」が起きたことで、過去の自分の行いのためにキャリアを失ってしまった芸能人やスポーツ選手たち。これを教訓に、いじめやパワハラが減ることを祈っています。
また7月頭に、「6月に韓国国内で話題になったニュース」をお届けします。お楽しみに!
- 参考:FRIDAY DIGITAL、ワウコリア、現代ビジネス、SBS NEWS
- image by:PR TIMES
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