こんにちは。韓国在住歴3年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
今回は「韓国の兵役」についてお話しします。韓国人の男性とお付き合いしているだけでなく、韓国アイドルグループに推しがいれば、兵役は必ず通る道。早めに知っておいて損はないでしょう。
実は韓国でも、女性は男性の兵役…つまり所属する軍隊についてそこまで詳しくありません。しかしここ最近は、ネットフリックスドラマ『D.P.─脱走兵追跡官─』や、韓国バラエティ『カンチョル部隊』が話題になり、韓国の軍隊が注目されつつあります。
どの軍の訓練が一番つらいの?
韓国は、いまも北朝鮮と「休戦中」。休戦中ということは、いつ戦争が始まるかわからないという意味です。
そのため、いつ戦争が始まっても対応できるように、19歳〜28歳の健康な男性がすぐに戦える準備をする一環として軍隊が存在します。
軍隊は海軍、空軍、陸軍に分かれていて、一般的に陸軍、海軍、空軍の順に訓練がつらいと言われています。
過酷さに合わせてか、訓練期間もバラバラです。それぞれの訓練期間は以下のようにとなっています。
- 陸軍:18カ月
- 海軍:20カ月
- 空軍:22カ月
どこの部隊に行くかは自分で決めることはできませんが、どの軍に行くかは自分で選べます。
「つらくてもいいから早く終わらせたい」という人は陸軍を選ぶことが多いそうです(とはいってもどこも厳しいのには変わりがないそうですが…)。
免除になる場合もある?
基本的に韓国人男性はみんな通る軍隊の道ですが、特別に免除になる場合もあります。たとえば以下の通り。
- 心身に障がいがある場合
- 身長が140センチ以下の場合
- 脱北者
- オリンピックのメダリスト、アジア大会の金メダリスト
これ以外にも軍隊に入るのは難しい場合は、免除ではなく「社会服役要員」として働きます。(参考:コネスト)
日本人の考えでは「もし社会服役を選べるならこちらのほうがいいんじゃないか」とは思うのですが、韓国男児としてのプライドがあるらしく、たいていの人が進んで軍隊に行くとのこと。
最近は減っては来ているものの、男性は履歴書にどこの部隊所属だったかなど書く欄があったり、「軍隊を出てこそ一人前の男」と考えるお年寄りもまだいるので、それも軍隊に行く一因になっているかもしれません。
最近の軍隊事情
昔は軍隊に入ったら、電話も手紙も軍の監視下のもとでしかできませんでした。外との交流ができずこもりっきりのため、軍隊でのいじめや自殺などがあり、たびたび問題視されてきたのです。
しかし2019年の4月1日から、すべての兵士が自由時間に携帯電話の使用が許可され、電話やネットが自由に使えるように。軍内でのいじめやパワハラにも厳しく対処し、以前に比べてかなりクリーンになったと言われています。
筆者が日本語を教えている生徒のなかには、この自由時間を通して、オンラインで日本語授業を受けてくれる人もいます。
その生徒の一人に軍隊での生活はどうかと聞いたところ、「人間関係にめぐまれさえすれば、いろいろ経験できて後の人生に役に立つと思う」と話していました。
ちなみに彼は2021年の9月に除隊し、11月のEJU試験(日本留学試験)を受けていました。軍隊での生活をしながら日本留学のための勉強をつづけた、筆者の記憶によく残る生徒さんの一人です。
BTSの軍隊問題に世界も注目!
最近は韓国内でも「BTSの軍隊問題」について話題になっています。
メダリストは軍隊免除になるのですが、その名分が「韓国を広く世界に広めた」というもの。そのため、「メダリストよりBTSのほうが世界で話題になっているじゃないか」という意見が多いのです。
最近は世界的に活躍する大衆芸能分野のアーティストに軍隊の入隊延期を認める法案が、韓国の国会で可決されました(参考:朝日新聞)。
これからも法案が変わっていく可能性があるので、推しや韓国人の彼氏がまだ入隊前というかたは、要チェックです。
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