こんにちは。韓国在住歴3年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
2019年に日本が韓国を「ホワイト国」のリストから外したことにより(参考:BBC)、韓国内で日本製品の不買運動が広がりました。このことは日本のメディアでも報道されていたので、ご存じのかたも多いかもしれません。
日本で報道されていた映像を見たら「韓国人はみんな日本が嫌いなの?」「韓国人は本当に日本製品を買わないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
とはいえ、周りの目も気になるので、日本製品を買うのには躊躇する人もいます。筆者は韓国で日本語教師をしていて、日本語を生業にしているので、特にそうです。
今回は、筆者が日本語を教えている生徒たちに聞いた「日本ブランド」についてお話しします。みなさんは、日本が大好きな人たちです。どんなブランドが上がるか予想してみてくださいね。
「ユニクロ」のヒートテック
正直に言うと、ユニクロのイメージは韓国ではあまりよくありません。日本製品不買運動で真っ先に影響を受けたのも、ユニクロです。
韓国最大の店舗だったユニクロ明洞(ミョンドン)中央店と水原(スウォン)駅構内のユニクロAK水原店は2021年の2月に、大田(テジョン)ホームプラス儒城(ユソン)店は2021年1月に閉店しました。
しかし、「ユニクロのヒートテックを買えないのはつらい」と話す生徒もいます。
韓国内にもヒートテックに似た製品はあるのですが、どれも微妙…。あたたかくなかったり、破れやすかったり、またサイズがぴったりでないものが多かったり…。しかも値段が高いので、ユニクロ製品を買ったほうがいいのです。
筆者の体感からすると、多くの韓国人がユニクロのフリースは買わなくても、ヒートテックは買っているように思います。
「キヤノン」のカメラ
筆者が日本語を教えている生徒たちは、カメラが趣味だという人が多いのですが、その人たちに人気なのはキヤノンのカメラ。
キヤノンのカメラは、「少々値段が高くても買ってしまう」「憧れる」というファンが多い印象です。
筆者はキヤノンの社員さんと授業をする機会があるのですが、彼らによると「日本製品不買運動による影響は特に感じない」とのことでした。
「トヨタ」のレクサス
生徒が「不買運動中でも買いたかった」と強く話した商品が日本車です。とくにこの生徒は、レクサスを買いたかったのだとか。
当時、レクサスは不買運動の影響をもろに受けていたので、割引セールもかなり行なっていたのです。
不買運動というのは日本製品をただただ攻撃するわけではなく、「今後は日本製品を買わない」というキャンペーンなので、日本商品を使っているからと言って攻撃を受けるわけではありません。
「車なんて何年も使うものだし、不買運動前に買ったのか、不買運動後に買ったのかわからないから気にする必要がないんじゃないか?」と筆者は思ったのですが、彼が不買運動中に日本車を買うのをためらった理由がありました。
それはちょうど日本製品の不買運動が始まった時期に、韓国の自動車のナンバープレートの変更があったのです。
乗用車のナンバープレートが6桁から7桁に増え、ナンバープレートの左側には青地に国を象徴する太極模様と大韓民国の英文表記略称である「KOR」の文字が刻まれました。偽造・変造防止のためのホログラムも挿入されます。
また、ナンバープレートの材質は反射フィルムに変え、夜でも番号を簡単に識別できるようになりました(参考:中央日報)。
つまり、セール中に車を買ってしまえば、「不買運動中に日本製の車を買った」とほかの人からもろにわかってしまうわけです。
別に新しい日本製の車だからと言ってあおられたり、嫌がらせをされるわけではないのですが、「ちょっとした違反をしたときに写真を撮られるかもしれない」という不安が、当時はたしかにありました。
以前、別の記事で書いたことがありますが、市民がスマホ経由で駐車違反や危険運転など交通違反をしている車を通報できるアプリがあります。
この通報を恐れて、「日本車を買いたいけど買えない」という人は結構いたようです。
最近は前に比べれば日本製品不買運動も落ち着いてきているので、「あのとき買っておけばよかった」と生徒は後悔していましたよ。
日本人が思っているよりも…
日本のメディアでは、「日本企業を攻撃する」「日本製品を破壊する」という映像が多く流れたので、怖いイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、実際に韓国で生活しているとそこまでではないと感じます。
もし興味があるかたは、「なぜ韓国で不買運動が起きたのか」について調べてみると、より理解を深められるのでオススメです。
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