こんにちは。韓国在住歴4年目、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
今月から、月末に「韓国で話題になったニュース」をお伝えします!来月以降もぜひ楽しみにしてください。
投票率は77.1%!
2022年3月に韓国で話題になったニュースは、やはり何といっても大統領選挙でしょう。
韓国は5年に1回、国民の直接選挙で大統領が決まります。2022年、第20回の大統領選挙は3月9日でした。この日は水曜日でしたが、公休日だったので筆者が講師を務める日本語の授業はお休みにしました。
結果から言えば、保守党のユンソギョル候補が進歩党のイジェミョン候補に0.6ポイント差で当選し、韓国では5年ぶりの保守党政権が始まりました。
今回の大統領選挙の流れや見どころなどについて詳しく書こうと思っていたのですが、調べてみたら日本のニュースや記事ですでに詳しい内容があふれていました。
せっかくなので今回は選挙の詳しい内容よりも、在韓日本人の筆者が今回の大統領選挙で見たこと、感じたことを中心にお話しします。
韓国に来て筆者が感じたのは、韓国国民の政治への関心の高さです。朝日新聞によると、今回の選挙の投票率は77.1%。さらに全有権者の36.93%が期日前投票を行いました。
日本では期日前投票といえば当日に仕事があっていけない人が行うためのシステムだと考える人が多いと思いますが、韓国では当日は休みの日で絶対仕事はしないのに期日前投票を行う人が多いんです。韓国人の夫も、わざわざにタクシーに乗って期日前投票に行っていました。
当日予定がないのになぜ事前投票に行くのかと聞いたところ「もし当日に何かがあっていけなくなっては大変だから」と話していました。
これは筆者の夫が政治への意識が高いというわけではなく、韓国人にとって選挙は何があっても行かなければいけないものなのです。
選挙は「お祭り感覚」に近い?
筆者は結婚ビザで韓国に住んでいるため、韓国での投票権はないのですが、韓国の投票システムを見学したいと思い、事前投票を見に行きました。その日は金曜日のお昼にも関わらず、多くの人たちが投票のための列が並んでいました。
今回の選挙は前回初めて政権を獲得した進歩系与党が政権を続けることができるか、韓国で長く続いていた保守系野党が政権を取り戻すかという歴史的な瞬間だったので、多くの人たちが注目しました。
開票が行われ、最終的な結果がわかったのは、次の日の朝3時を超えていました。開票の様子はすべてのテレビ局で放送されており、多くの韓国人が結果を見守っていました。
YouTubeでもテレビ局のプログラムは放送され、チャットに多くの人がそれぞれが応援する候補者への応援コメントを書き込みました。筆者もこの日は最後までテレビを見ていたので、次の日はかなり疲れました。
筆者にとって興味深かったのは各放送局の「色」です。進歩系は青、保守党が赤のイメージカラーを持っているのですが、それぞれの放送局の支持する候補者、当選すると信じる候補者のイメージカラーに合わせて番組に色を盛り込んでいました。
どの候補者が大統領になるかによってそれぞれテレビ番組も影響を受けるので、大抵は当選確実とおもわれる人のイメージカラーを「さりげなく」入れるんだそうです。
ちなみに一般投票の際にも、自分が応援する候補者に合わせた色を身に着けて選挙に行く人たちもいるそうです。大抵の場合はネクタイや帽子、スカーフなどの小物なのですが、SNSでは青色の全身タイツを来た人の写真が出回ってました。身分証明は、いったいどのようにするんでしょうね。
このように選挙は大イベントであるとともに、お祭り感覚に近いなとも感じました。
今回の選挙は保守党のユンソギョル候補、進歩党のイジェミョン候補の2人の戦いといわれるなか、ユンソギョル候補の失言やSNSでの軽率な書き込みにより支持率が落ちたため、開票前日まで多くの人がイジェミョン候補の当選が確実と思われていました。
そのため、多くの番組で青色がさりげなく盛り込まれていました。出口調査の結果でもイジェミョン候補が当選有力と思われていたのですが、ユンソギョル候補の当選には少なからず驚いた人が多かったそうです。
また機会があれば、なぜ韓国人は政治に関心が高いのか、日本との政治観の違いなどについても書来ますね。今後、ユンソギョル政権が日韓関係にどのように影響するのかにも注目です。
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