こんにちは、椎名です。僕は身体の性が女性で心の性は定めていないセクシュアルマイノリティで、女性のパートナーと生活をともにしています。
「LGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダーの頭文字「LGBT」と、自身の性自認や性的指向が定まっていない、もしくは意図的に定めていないセクシュアリティを指す「クエスチョニング」、風変わりな・奇妙なといった英語圏の言葉「クィア」という2つの言葉の頭文字をとった「Q」、ほかにもさまざまなセクシュアリティが存在するということを表す「+」のこと)」というワードがニュースなどでよく取り上げられるようになり、次第に一般的な言葉になってきました。
言葉の意味もなんとなくであれば、理解してくれているかたもかなり増えてきていると思います。
しかしながら、昨今は研修のテーマに取り入れる企業なども珍しくない半面、実はまだよく理解できていないなと感じているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
LGBTQ+に関わらず、言葉が一般的になればなるほどその言葉をよく知らない場合「今更人には聞きにくい」と感じるものです。
学びたいと思ってもLGBTQ+について書かれた書籍もかなり増えていることから、選書にも迷ってしまいますよね。
そんなときに、LGBTQ+を学ぶ最初の1冊として『マンガでわかるLGBTQ+』(パレットーク著/講談社出版)をおすすめいたします。
「LGBTQ+当事者だとカムアウトしてくれたのは、椎名さんが初めてです」
女性の身体で生まれ、心の性を定めていない僕が自分の性について周囲にカムアウト(自分がセクシュアルマイノリティであることを打ち明けること)をするようになったのは21歳ごろ。女性も性対象であるとはじめて話したのは、もっと以前の学生時代に遡ります。
…とここで、「自分の性と性対象って一緒のことじゃないの?」と思いませんでしたか?自分の性(僕の場合心の性)と、性対象になる性別が何であるかは別の話なのです。
「なんだやっぱりLGBTQ+はややこしい話じゃないか」と思わないでください。ご紹介する本ではこのことについても解説されているのでご安心を。
僕が前述のようにLGBTQ+当事者だと周囲にカムアウトをするようになってから、何度か「LGBTQ+当事者だとカムアウトしてくれたのは、椎名さんが初めてです」と話すかたがいました。
カムアウトをした相手にとって“初めて接するLGBTQ+当事者”というのは、少なからず当事者としてこうして発信をしている身として責任重大です。
カムアウトをした相手のなかには「自分でもLGBTQ+について学んでみようと思う」と話してくれたかたもいました。
LGBTQ+というものに分類される人が世の中にいることはわかっていたとしても、実際に親しい人が当事者だとわかると、LGBTQ+に対して“世の中の見知らぬ誰か”の問題ではなく身近な問題として認識が変わったのかもしれません。
この本はそんな当事者にカムアウトを受けたかたや、これから勉強してみたい、会社でダイバーシティについて取り組むから学びはじめたい、お子さんへの教育の一環として本を探している、そしてLGBTQ+について今更誰かに聞きにくいなと感じているかたにおすすめです。