by them(バイゼム)あなたの声に共感する

同性愛者にアプローチされて怖がる人がいるのはなぜ?LGBTQ+当事者が考えてみた

1つ星5 件
いいね!

こんにちは、椎名です。僕は身体の性が女性で心の性は定めていないセクシュアルマイノリティで、女性のパートナーと生活をともにしています。

先日とある番組(媒体・発言者などは伏せさせていただきます)を見ていると、出演者の男性が自身の活動に関するエピソードトークの一部として「ゲイに言い寄られて、ヤバいと思って慌てて逃げた」と話していました。

この言葉を耳にした瞬間は脊髄反射(せきずいはんしゃ)でムッとして、「いまだにそんなことを公に話す人がいるんだな」と少々不快に感じました。

ですがそれと同時に、「なぜ異性愛者のかたは同性愛者にアプローチされると怖がるのだろう」と改めて疑問に感じました。

なので、きょうはこのことについて考えてみたいと思います。

おそらく読んでいて「それは違う」と思う箇所があると思いますが、「なぜ怖いと感じるのか」の答えの詳細や背景は人によって異なると考えています。どうかそのときは、違うと思ったことからご自身の考えを掘り下げるきっかけにしていただけると幸いです。

関連記事
>>>愛とはエゴなのか?LGBTQ当事者による、映画『エゴイスト』レビュー

「男女」の違い

image by:Unsplash

「ゲイに言い寄られて、ヤバいと思って慌てて逃げた」という話題。

いまでこそ差別的であると認識されるようになり、テレビなどのメディアでも以前ほど耳にしなくなってきました。

そう認識される以前は、笑い話であることが当たり前かのように、バラエティ番組などで面白おかしくネタにされていました。

そのせいか、LGBTQ+当事者が身体の性が同性の友人などにカムアウト(セクシュアルマイノリティであると打ち明けること)をする際、「俺のことを狙うなよ?」「私は付き合えないからね」などと、まるでLGBTQ+当事者が同性であれば誰でも見境なく性愛の標的にしているように言われてしまうことが多くあります。これにより、傷ついた体験をされたかたも少なくないでしょう。

この話題について考える際、考え方のひとつとして、言い寄られる側、好意を向けられた側が社会的に男性として育ってきたのか女性として育ってきたのかで受け取り方に違いがあると考えます。

僕の身体の性は女性ですが、心の性は定めていないのでXジェンダーです。ではXジェンダーとして育てられたかというとそうではなく、身体の性に合わせて女性として育てられました。

性別は男女の2種類だけでは分類することができないと考えていますが、あくまで今回の場合は現在までの日本において男女のどちらとして育てられたかという意味で男女の違い、とさせていただきたいと思います。

女性として育てられると、折々で身の安全の気をつけ方を教えられます。家庭や環境によるとは思いますが、僕も母から性教育として男女の交際の注意点や夜道などでの気をつけ方、ひとり暮らしをはじめるときには防犯対策法を聞かされました。

特に夜道やひとり暮らしの防犯対策については、進学や就職でひとり暮らしを始めるかたが増える春先になると、毎年SNSで注意喚起の投稿を見かけます。内容は物件の選び方や、女性がひとり暮らしをするうえで気をつけるべき防犯対策のポイント、アドバイスの情報。

このように多くの女性は女性として育つ過程で、男性から身を守るためにさまざまなことに対し「気をつけなさい」と言われます。そしてその理由の奥には、女性である自分に向けられる性欲の存在も、自然と知り警戒するようになります。

その点男性は警戒される側であることが多いことから、身の回りの危険に気を配る度合いが女性よりも低くなりがちで、あまり気にされないかたが少なくありません。

自分に性欲が向けられると考えていなかったところに同性であるゲイのかたから急なアプローチを受けると、性欲を自分に向けられていることに気づき驚いてしまうことから恐怖を感じてしまうのではないか、という見解が散見されます。

この男女の差が同性愛者からのアプローチを「怖い」と感じる原因のひとつ、もしくは一端なのかもしれないと僕も思います。

母から向けられた「気をつけなさい」の言葉には、セットで「女の子なんだから」が付け加えられていましたし、それは特に珍しいことではないとも感じているからです。

もちろん男性が性犯罪の被害にあう可能性は十分にあるので、被害にあわないよう気をつけるべきだと思います。

最近はやっと男性が被害者である性犯罪も起こり得ると認識されるようになってきましたが、被害者のなかには女性同様被害にあったと訴えられないかたも多くいるそうです。

性別問わず性被害の根絶を願ってやみませんし、せめて被害にあわれたかたが適切なケアを受け、加害者が正しく罰せられるように声を上げられるようになってほしいと思います。

いま読まれてます
1つ星5 件
いいね!
by
椎名トキ

ライター。身体は女性、心の性は定めていない女性のパートナーと暮らすセクシャルマイノリティ。彼女との日々や、LGBTQ当事者としての経験や考えていることを等身大に綴ります。僕は僕の性で生きていく。

前の記事:膨らむ胸が邪魔。“女性のカラダ”への違和と、受け入れるという決断
: Attention

read more

#LGBTQ 愛とはエゴなのか?LGBTQ当事者による、映画『エゴイスト』レビュー by Ryota@HSPアドバイザー
#LGBTQ#コラム 「顔出し」はしない。LGBTQ+当事者が“見せない”を選んだ理由 by Ryota@HSPアドバイザー
#LGBTQ 「カラダが女同士」だから不安だった。LGBTQ+カップルのための新たな取り組み by Ryota@HSPアドバイザー
#LGBTQ 結婚準備にあまり乗り気ではない彼女。口喧嘩で知った「まさか」の理由 by Ryota@HSPアドバイザー
#LGBTQ パートナーシップ宣誓制度を申請したら…「職場」で思いがけず起きたこと by Ryota@HSPアドバイザー
#LGBTQ 「同性同士でどうやってするの?」セクマイ当事者が言われがちな7つの失言 by Ryota@HSPアドバイザー

! trending topics

#オトナ磨き#ライフ 「コミュ力」に自信がなくて不安…大人数が苦手でも楽しく過ごせる会話のコツ by 山本衣奈子
#親と子 「許せない自分」を許せない。アダルトチルドレンが幸せになるために大切なこと by 安宮正敏
#結婚 「結婚したい」「いつする?」をパートナーに伝えるベストタイミング by 横山すじこ
official mail magazine
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録 の最新記事が不定期に届きます
このままではいかん!危機感を覚えたわたしの「産後のキャリア」への模索 20歳年上の夫とマイペース高1息子と暮らすアラフィフ主婦ライター、塩辛いか乃です。 子どもが小さいころ、家で...
by

by 塩辛いか乃

暑くなる前に絶対コレ買って!生ゴミ臭と虫に悩む編集者が選んだ「2024年上半期ベストバイ」 夏は特に「生ゴミ」がにおいがちな季節。 極力水分を切って、ニオイが漏れないと話題の防臭袋と蓋付きのゴミ箱を使...

by by them 編集部

プールに、お祭りに、ビアガーデン!思いっきり夏を満喫する「7月開催中イベント」5選 いよいよ夏本番!7月のデートプランは決まりましたか? 「夏ならではのデートがしたい」「いつもと違う夏デートで...

by 横山すじこ

韓国人はパウダーを使わない?「現地の最新バズコスメ」や「トレンドメイク術」 こんにちは。韓国在住歴9年目、会社員兼ライターのヘリです。 日本のみなさんは、ベースメイクにどんなコスメを使...

by haeri

# How To

#HOW TO #モテ 
異性や同性かかわらず、ひとりの人間として愛されたい。その気持ちを活かすモテの術はどこにある? >> #HOW TO #モテ  の記事一覧を読む
#HOW TO #美容 
自分を愛する、ひとつの方法。めまぐるしく移り変わる美容のイマ。 >> #HOW TO #美容  の記事一覧を読む
#HOW TO #パートナー 
友人、恋人、職場の仲間。他人だからこそ、わかりあいたい。近くて遠いパートナーを、もっともっと愛したい。 >> #HOW TO #パートナー  の記事一覧を読む
#HOW TO #親と子 
理解者で、味方?年齢なんて関係ない。親と子は、近いからこそむずかしい。多種多様な家族の姿から、自分自身を見つけ出す。 >> #HOW TO #親と子  の記事一覧を読む
#HOW TO #結婚 
ひとりがふたりになれば、悩みも解決策もふえるもの。愛しいひととの時間をより心地よく過ごすための知恵と工夫をチェック。 >> #HOW TO #結婚  の記事一覧を読む
#HOW TO #コン活 
出会って、縁を結ぶ。コン活の流行りから、結婚までの道のり。 >> #HOW TO #コン活  の記事一覧を読む
#HOW TO #コスメ 
基本の「キ」から流行まで押さえたい。コスメはいつだって、私たちの味方なんだから。 >> #HOW TO #コスメ  の記事一覧を読む
#HOW TO #ライフ 
晴れの日もあれば、雨の日もある。自分を守り、愛するために必要なきっかけがここにある。 >> #HOW TO #ライフ  の記事一覧を読む
VIEW MORE

- Writer

美容ズカイストあつこ

理工大学で4年生をカットし、飛び級で理工大学院に入学。物事をロジカルに考えるのが得意。かつて敏感肌だったことから、化粧品成分に興味をもつ。また、実験が好きで、化粧品の効果を独自に実験し、検証。

mailmagazine >> 美容ズカイストあつこの記事を読む
Honoka Yamasaki

ライター、ダンサー、purple millennium運営。
Twitter:@honoka_yamasaki

>> Honoka Yamasakiの記事を読む
垣屋美智子

日本生まれ香港育ち。香港で高校を卒業したのち、単身渡米、University of California, Berkeley卒業。主な著書:「使えば増える! お金の法則 ―ワクワクしながら資産づくり」(時事通信社)。主な連載:「使えば増える! お金の法則 ―ワクワクしながら資産づくり」(cakes, 2018年~)

mailmagazine >> 垣屋美智子の記事を読む
朝日美陽

日本大学芸術学部演劇学科演技コース卒業。芸能活動後、セラピストへ転身。登遥 Toyoh spa salon代表(Instagram:@toyohofficial)。女性の働き方・キャリア・LGBTQなどをテーマにフリーライターとして活動中。

>> 朝日美陽の記事を読む
大和まや・ゆうきゆう

精神科医・心理研究家。あらゆるジャンルの心理学を極めた、セクシーな精神科医たち。あやつる心理学のスキルは1000を超える。「ゾクゾクしなければ人生じゃない!」がモットー。趣味は瞑想と妄想。特技はスノーボード。

mailmagazine >> 大和まや・ゆうきゆうの記事を読む
久野浩司

マリッジ・ライフデザインコーチ/オールアバウト恋愛ガイド

カナダ・バンクーバー在住。音楽プロデューサー、留学関連などパラレルワーク実践中。anan、ELLE、BAILAなど女性誌でもコメンテーターとして活躍。

Website / Blog

mailmagazine >> 久野浩司の記事を読む
伊藤 翠

18歳から30歳までの12年間、ホステスとして18,000人以上の男性を接客。移るお店移るお店でNO.1になり、25歳から30歳まで働いたクラブでは小ママとして勤務。ホステスを辞めた後、男性心理と女性心理の違いや基礎心理学などを学び、大好きな彼から1番に選ばれて、その後もずっと愛され続ける女性になるためのHOW TOをメルマガで無料配信しています。

mailmagazine >> 伊藤 翠の記事を読む
VIEW MORE

? Question

気になる質問の「知りたい!」ボタンを押したらby themの専門家が答えてくれるかも?
#モテ  これまで「意味がなかったな」と思う恋愛テクニックはありますか?
1つ星80 件
知りたい!
Answer :
Q
#パートナー #プロポーズ 高校生のころに付き合っていた元彼とヨリを戻して3年。私は結婚したいのですが、まったくそんな話になりません。まわりの友達が結婚していき、正直焦っています。でも、自分から「結婚どうする?」とはなかなかいい出せません。彼から結婚話を切り出させる方法があれば教えてください。
1つ星76 件
知りたい!
Q
#オトナ磨き #ライフ 恋人がいない状況に耐えられず、好きでもない男性と関係を持ったり付き合ってしまう私。そんな自分が本当に嫌いです。どうしたらひとりでいられる自分、シングルの時間を楽しめる自分になれるでしょうか?
1つ星54 件
知りたい!
Q
#オトナ磨き #ライフ 職場の飲み会で泥酔してしまいました。途中から記憶がなく、何をしゃべったか覚えていません。その後、周囲の目線が冷たいような、哀れむようなものに変わりました…。おそらく、表面上は仲良くしている同僚の女性(かわいくて人気がある)に対する嫉妬心丸出しの発言をしたのだと思います。仕事は好きなので辞めたくありません。どうすればよいでしょうか?

1つ星38 件
知りたい!
Answer :
Q
#パートナー #ライフ 彼氏に愛されていることはわかっているのに、どうにも自分に自信が持てなかったり、疑ってしまったりします。気持ちが安定しているときもありますが、その気持ちが長く続かず、占いの結果で自信をなくしたりしてしまいます。ポジティブな気持ちが持続する方法はありますか?また、本当に彼氏から愛されている確信を得るにはどういうところをみていけばよいでしょうか?
1つ星38 件
知りたい!
Answer :
Q
#HOW TO #モテ 私には社内に大好きな人がいるのですが、その人にアピールをしてもなかなか響かず、何とも思ってない数人からアプローチされます。気持ちは嬉しいのですが私が付き合いたいのは彼だけです。彼からアプローチされるにはどうしたらいいでしょう?ほかの人からのメールやアプローチを受けても虚しくなるので、無視してもいいでしょうか?
1つ星22 件
知りたい!
Answer :
Q
#パートナー #結婚 今度、彼のご実家に初めて伺います。ご両親に好印象を与えるための作法などがございましたら教えてください。
1つ星39 件
知りたい!
Answer :
Q
#パートナー #結婚 結婚のタイミングや子どもの有無など、彼と将来に対する価値観が合いません。結婚してもうまくいかないのでしょうか。
1つ星52 件
知りたい!
Q
#オトナ磨き #ライフ 自分で自分のことを「空気が読めない人間だ」と思っています。また変なことを言ってしまうのでは?場を凍りつかせてしまうのでは?と、人付き合いをすること、人と接することが怖くて仕方がありません。どうすればもっと空気を読むことができるようになるのでしょうか?
1つ星47 件
知りたい!
Answer :
Q
#パートナー  彼からのLINEの連絡が遅いです(私もつられて遅くなりました)。このくらいがちょうどいいかと納得しつつ、もしかして面倒なのかなと気になってしまいます。ちなみに付き合う前や付き合いたての頃もそんな感じでした…。
1つ星47 件
知りたい!
Answer :
Q
#デート #パートナー 年下の男性を好きになってしまいました。彼は会社の後輩で、私とは11個、歳の差があります。年下ですが営業成績もよく、私の悩み相談に乗ってくれたことがきっかけで一度だけごはんにいったのですが、そのあと進展がありません。11も上の女性からアプローチされたら迷惑でしょうか?迷惑ではないとしたら、どんなアプローチをされたら、キュンときますか?
1つ星38 件
知りたい!
Answer :
Q
#HOW TO #ライフ 私の夫と子どもはHSP・HSCです。また会社の部下や同僚のなかにもHSPなのではないかと思う繊細な方がいます。彼ら、彼女らと接するうえで気をつけた方がよいことがあれば教えてください。
1つ星61 件
知りたい!
Answer :
Q
#オトナ磨き #パートナー 私はHSPです。すぐに彼氏に依存し、尽くしすぎて「しんどい」と感じる交際をしてしまいます。依存しないための改善方法はありますか?このような相手とならうまくいくのでは、といったアドバイスもいただきたいです。
1つ星86 件
知りたい!
Answer :
Q
#コン活 #失恋 40代のこじらせ女子です。結婚相談所や婚活パーティー、アプリ、合コンなどで出会った男性とデートを重ねててきましたが、30歳のときに円満に別れた元彼が忘れられません。お互い恋人はおらず、連絡はたまに取るのですが、復縁のアドバイスをいただきたいです。
1つ星62 件
知りたい!
Answer :
Q
#コン活 #パートナー 年下の彼と交際2年。人並みに交際してきましたが、「こんなに合う人はいない」と思うほど彼が好きで居心地がよいです。いずれ結婚を…という話は出ており、私たちのペースで少しずつ進んでいる気はするのですが、私が20代後半ということもあり周囲の結婚ラッシュに焦り、不安になる日もあります。
1つ星61 件
知りたい!
Answer :
Q
#HOW TO #コン活 「結婚前に必ず同棲したい」と話していた彼から同棲の話が出ました。このまま良い関係を築きながら「結婚」するための注意点やコツはありますか?また、ズルズル長引いてしまわないか不安なので、その対処法も知りたいです。
1つ星70 件
知りたい!
Answer :
Q
#HOW TO #コン活 30代前半です。結婚願望のないパートナーと別れて婚活を始めたいと思っていたのですが、コロナで出会いがないのでは…と踏みとどまってしまいます。オンラインは少し抵抗があり、別の出会い方を知りたいです。
1つ星61 件
知りたい!
Answer :
Q
#シングル #失恋 ふたりで食事に行ったり、毎日連絡を取り合っているときはすごく積極的な彼。しかしグループでいるときは目も合わず、話しかけてもそっけない態度。「好き避け」されているのか嫌われているのか不安です。攻略法があれば教えてください。
1つ星54 件
知りたい!
Answer :
Q
VIEW MORE