こんにちは。韓国在住歴4年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
以前、韓国の社会問題として、都市部ソウルや都心部の地価が上がりすぎていることについてお話ししました。
実はここ最近、韓国の地価がどんどん下がってきているんです。
さらに銀行の住宅ローンの利子が高いことも重なって、だんだん韓国の人たちの「持ち家」に関する認識が変わってきています。今回は、いまの韓国の持ち家をテーマにお話ししましょう。
都市部のバブルがはじけ始めた
まず最初に、韓国の文化として「男は結婚する前に家を、女は家のなかの家具を準備する」のが習わしでした。
いまは時代も変わったのでこれがなければ結婚できないというわけではありませんが(とはいえ家を持っている男性は「結婚できる準備ができている 」という信頼感があります)、それでもやはり「結婚するときは2人の家を持ちたい」「結婚したらいつかは家がほしい」と思う人が多いです。
韓国はここ何年もずっと地価が上がり続けており、「いまがあしたより安い」とも言われていました。ですから、家を持ちたいという考えがあるなら借金してでも早く持ったほうがいいと考える人が多かったんです。
しかし今年の7月〜8月くらいから、ソウルやプサンをはじめとする都心部の地価がどんどん下がってきました。いわゆる「バブルがはじけ始めた」ということですね。
バブル経済の教訓がある日本人からすれば、バブルと言うものはいつかははじけるもので当然のような気もしますが、ずっと地価が上がり続けるのを目の当たりにしてきた韓国人のなかには予想できなかった人たちも多いようです。
さらにいまは、住宅ローンの利子は約3パーセントで、以前の大統領の時代よりもかなり上がりました。これからはさらに上がるという話もよく耳にします。韓国は家のローンは大抵10年や20年で返済するのが基本なので大変です。
「少しでも早く」買うために、貯金を全くしない状態で家のお金のほとんどをローンにした人たちは大変ですね。
2022年10月現在、家を買うか迷っている人たちは「とりあえずいまは買わないで、地価が下がったときに買う」という人たちが多くなりました。
変わった、若い人たちの持ち家の認識
また地価の問題だけではなく、最近は住宅購入の詐欺やチョンセ(賃貸契約時にまとまった金額を渡すことで毎月の家賃を払わなくてもよいというシステムで、契約終了時に全額返金されます)の持ち逃げなどがあまりにも多いです。
ですから、ここ最近の若い人たちの持ち家の認識は「家がほしいなら銀行から借金してでも、すぐに買うべき」から「ある程度お金をためてから一部銀行からお金をかりて家を買うべき」という風に変わりつつあります。
実は筆者夫婦も3年以内に家を持ちたいと話して計画をしていた矢先の出来事だったので、焦らなくてよかったというのが正直なところ。
筆者の周りの人たちは苦労して家を買ったのにどんどん値段が下がっていくニュースを見て、頭を抱えている人たちも多いです…。
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