「婚活」「成婚」をメインテーマとし、新たなライフプランを初動からサポートしている、婚活FPの山本です。
今回は、20代後半の既婚女性から、「私はできれば3人くらい子どもがほしいのですが、夫は今後のお金や育児が不安なため、1人で十分だと言います。実際のところ、どうなんでしょうか?」と今後の出産についてご相談いただきました。
夫婦そろって年収400万円で結婚2年目。少し前に長女を出産したばかりなものの、そこで意見の食い違いが発生したそうです。
当人は、「せめてもうひとり産んできょうだいを…」と考えているようですが、夫の言い分もわからなくもないと言います。ひとまずお金を中心に、多角的に考えましょう。
すべてを十分に満たすには足りない時代
さて、まずは基本ですが「いまやすべてに十分なお金はかけられない時代」。そして、子どもはタダでは育て上げられません。
まず、経済力や努力量で個人差はありますが、生涯で入ってくるお金には限度があります。そしてそのお金は、最近では多くの場合、すべてを十分に満たすには足りないのが基本です。
子どもを増やした分だけ、ほかを削る必要があります。逆に子どもを減らした分だけ、ほかを増やすことが可能です。
子どもが3歳で中学まで公立、高校から私立に通うと仮定すると、一人あたりの大卒までの学費は総額で約1400万円。当然ですが、その間生活費も必要です。当然、子どもが2人なら倍、3人なら3倍必要になります。
ひとまず、学費の1400万円を22年で準備するなら、月5万円程度の貯金が必要な計算です。3人なら学費だけで月15万円ほど必要になりますが…。
現在、月々どのくらい貯金できていますか?ほかの支出はどのくらい削るつもりですか?子どもさえいれば、貧乏生活にも耐えられますか?
細かくはライフプランを作らないと不明ですが、まずは子ども以外のことを2人で話し合いましょう。
子どもが多いほど負担もリスクも増える
さて、並行的に大切なことなのですが「子どもが多いほど負担もリスクも増えるのはたしか」。反面、子どもが多いほど幸せかは人によります。
まず、直接的なお金の負担は先ほどの通りですが、保活(子どもを保育園などに入れるために保護者が行う活動)の成否や送り迎え、急な仕事休みが怖いところ。
つまり「共働きの継続」に不安が出てきます。子ども3人でも立派にこなす夫婦もいる一方、子ども1人でも厳しい夫婦もいるのが実情です。
仮にあなたが退職せざるをえなくなったら、夫一人ではとても家族を養えないでしょう。少なくとも、大幅にほかの支出を削る必要が出てきます。
無事大学を卒業させたとしても、雇用形態や給与、環境によっては社会に出てからも親の支援が必要なことも…。
もちろん、子どもの数だけ家庭が明るくなるなど、子だくさんのメリットがないわけではありません。しかし、幸せは未知数ですがリスクは確定です。
これらを理解したうえで子どもの数をどうするか…落ち着いて夫婦で納得いくまで話し合いましょう。
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