「婚活」「成婚」をメインテーマとし、新たなライフプランを初動からサポートしている、婚活FPの山本です。
今回は、30代前半の既婚男性から、「妻が仕事を辞めたがっています。無理をしてこころがやられてしまうのは避けなければいけませんが、私も1人で妻を支える自信がありません。近い将来、子どもも考えています。どうしたらいいでしょうか?」とパートナーの仕事についてご相談いただきました。
当人は、年収400万円の会社員で結婚2年目。奥さまはひとつ年下で年収400万円の会社員。奥さまの勤め先がブラックな体質で、こころを病みそうになっていると言います。まだ子どもはおらず、保険も未加入とのこと。
なんとも難しい問題ですね…。ひとまず、冷静にお金周りを理解しておき、そのうえで適切な判断・行動をしましょう。
「自分が養う」という判断は避けて
さてまずは基本ですが、最終的に、できれば転職を視野に入れましょう。自分が養うという判断は避けたほうがよいです。
ひとまずは、奥さまには休んでもらいましょう。おっしゃる通り、無理をして悪化する方が問題です。
ただ、最終的な老後資金や子どもを考えると、現実問題あなたひとりでは賄いきれないかと…。
老後資金を4000万円、教育費を1400万円とすると、5200万円を約30年で準備する必要があります。
1年あたり約173万円、月14万円の貯金が必要。足りないにしても、少しでも多く貯金したいところです。
よって、体調との折合いも大切ではあるものの、奥さまもできる限り長く正社員で働くのが理想。体調が回復したら、転職を検討してもらいましょう。
なお、年齢やご事情を考えると、不本意であっても子どもを諦めるという判断も大切なひとつです。そうすれば、少なくとも金銭的にラクになります。
これは、けしてあなたの努力不足ではありません。ぜひ夫婦で話し合って、結論を出しましょう。
当面は、なんとかなる?
さて、並行的に大切なことなのですが、可能なら双方の親にも助けてもらいましょう。まずは、奥さまの復帰まで繋ぐことが大切です。
会社員は傷病手当金がもらえます。金額はざっくり給与の2/3で、通算1年6カ月までが対象です。
つまり、うつ病を悪化させることがなければこれで当面はなんとかなると言えます。
事情によっては労災が使えるかもしれません。こちらは実質的に、回復するまで無期限です。また、役所の助成制度も検討できます。
これらの制度を活用すれば、ひとまず奥さまの復帰までは困らないでしょう。
…ただ、やはり再発が怖いところです。再発を繰り返した場合、厳しいですが働けずに無職となるかもしれません。そして、あなたも心身を崩しかねません。
当面の生活は何とかなっても、貯金が不十分ならいずれ困るかと。その不安が、より精神を苦しめるかも…。
可能なら双方の親にも支援をお願いし、少しでも安心できる環境を整えましょう。
最後にちょこっと…
病的なことは仕方のないこととはいえ、現実としてかなりの難題ですよね。
できれば、こういう事態も見越して、事前に保険や貯金を確保してほしいところですね。
とはいえ、なってからでは後の祭りです。まずは奥さまの安静に努め、諸制度もフル活用し、回復するまで家計の維持に励みましょう。
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