こんにちは。韓国在住歴4年、日本語教師でライターのHAZUKIです。在韓ならではの生きた韓国情報をお届けします。
以前、歌舞伎町タワー内にある「ジェンダーレストイレ」に対する韓国人の反応について以前お話ししました。
今回はそこで少し触れた「韓国人の性犯罪への意識」についてお話しします。かなりセンシティブな問題ですが、だからこそ知っておいてほしいです。
深刻な社会問題として話題に…
近年、韓国では性犯罪に関する悲しい事件が報道されることが増えています。
韓国での性犯罪と言ってすぐ頭に浮かぶのは、2016年にカンナムの公衆トイレで女性が殺害された事件や2018年のn番部屋事件、ほかにも元BIGBANGのV.I(スンリ)が起こした2019年のバーニング・サン事件などです。
これらの事件は、韓国社会で深刻な問題となり、性犯罪が起こるたびにニュースでもかなり話題になります。
n番部屋事件は、Netflix(ネットフリックス)でドキュメンタリーとしても放送されています。
韓国での実際の性犯罪事件
性犯罪事件は被害者のプライバシーの侵害や心身のダメージをもたらすだけでなく、社会全体に大きな衝撃を与えました。
韓国社会では、これらの事件に対する憤りと共感が広がり、数々の性犯罪事件がメディアを通じて報道されました。
こうして社会の関心を集めたことが一因で、性犯罪への意識が高まっていると肌で感じますね。
被害者の声や支援団体の活動が注目され、性犯罪被害者へのサポート体制が整備されるなど、韓国社会はより敏感になっています。
また、性犯罪に対する意識向上のために、学校教育やメディアにおいても積極的な取り組みが行われています。
日韓の「性犯罪への意識」の違い
韓国と日本の性犯罪への意識には、いくつかの違いが見られます。
まず、報道のあり方が異なります。
韓国では、性犯罪が発生した際にメディアが積極的に報道し、社会問題として取り上げる傾向があります。事実を知らせるというよりは、再被害の防止が重視されているように感じますね。
一方、日本での性犯罪の報道は、事実は知らせるもののその先の議論はなく、やや韓国に比べて弱い印象です。
また、性犯罪に対する社会的な反応も異なります。
韓国では、性犯罪に対する怒りや悲しみが大きなブームに発展し、社会的な変革を求める声が高まります。
さまざまな場所でデモ活動がおき、個人でもSNSを通して意見を発信する人が多いです。
一方、日本では性犯罪に対する社会的な意識は高まっていますが、韓国ほどの大きなブームには発展していません。
実際、日本内では「#MeToo運動」もそこまで話題になりませんでしたね。韓国の芸能界や政治界は大きな騒ぎになりました。
性犯罪への意識が高いゆえ…
韓国における性犯罪への意識は、数々の事件を通じて向上。被害者の声や社会の関心を受けて、韓国社会は性犯罪に対する厳しい姿勢を示しています。
ときには「敏感になりすぎていて生活しづらい」と感じるときさえあるほどです。
また、過激派の女性と男性の対立構造ができてしまい、SNSで争っているのをよく見ます。性犯罪への意識が高いことはいいことですが、そこから派生する問題もあるのが事実です。
OECD(経済協力開発機構)のなかでは、日本も韓国もかなり安全な国のなかに入りますが、それでも危ない事件は絶えませんね…。みなさんも普段の生活から自分を守るようにしてくださいね。
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