一緒に暮らす夫婦なら、生活費も半分ずつ負担する。「夫婦は対等」なら、そんな考え方もあるかもしれません。
一方で、片方が極端に収入の低い場合なども、折半しなければならないのでしょうか。
生活費の平等な分担をおかしいと感じるのはどんなときなのか、またストレスなく負担を受け入れるにはどうすればいいのか、お伝えします。
「生活費を夫婦で折半する」のはおかしい?
日々の食事でもトイレットペーパーでも、一緒に消費するものならかかるお金は平等に負担するべき、と考えるのは自然なこと。
ですが、これができるのはふたりの収入に差がないのが前提であり、たとえば夫は正社員で妻はパート務めの場合など、それぞれが手にするお金に大きな開きがあるときは、平等な負担は苦しいのも事実です。
月に10万円しか収入のない側が、生活費を折半すればほぼ全額をそれに持っていかれるような状況でも、「仕方ない」とするしかないのでしょうか。
生活にかかるお金には、暮らしに関わる部分とは別に個人的な趣味や楽しみ、また人付き合いでも、使いたいときもありますよね。
それらすべてを犠牲にしてまで生活費を優先するのは、窮屈な結婚生活になる可能性が高くなります。
負担の割合は収入で決める
生活費を出した後で自分と配偶者の手元に残るお金があまりにも違う場合、それがストレスになり不仲に発展することもあります。
衝突を避けるためには、生活費のためにそれぞれが出すお金は、収入の割合で決めるのもひとつの方法です。
生活費に月20万円かかるケースで考えると、月収が30万のほうは15万出し、10万のほうが5万にすると、残るお金の割合も同じようになり、不平等感は少なくなります。
「こちらばかり多く出している」と収入の高い側は思うかもしれませんが、そもそも手にできるお金が違うことを無視してはいけません。
これが、お互いに月収が30万円あるのに片方だけ15万円を出すような決め方だと不満が出るのは当然ですが、配偶者の収入に合わせて負担する割合を考えるほうが平等と言えます。
また、忘れてはいけないのは、収入の低い側にある事情です。
小さい子どもがいてフルタイムで働くことが難しく、自分ではなく配偶者が時短勤務をせざるを得ない状況なら、月収に差があるのは当たり前ですよね。
生活の状況に応じて身を置ける仕事の状態が変わるのは当然のことで、それを無視して「夫婦なのだから生活費を折半するべき」と配偶者に負担を押し付けるのは、モラルハラスメントとも言えます。
生活費より優先するものを作らない
問題なのは、生活費より別のものを優先してお金を使ってしまう場合です。
「生活費を出さず自分の趣味にばかり使う」「好きなように使った残りしか生活費として渡さない」など、折半どころかまともな負担すら避けるような配偶者なら、結婚生活を続けるのは難しくなります。
等しく自分についても、先に好きなことに使ってしまってから「これくらいしか出せない」とわずかなお金しか渡せないようでは、家計は破綻します。
結婚生活で重要なのは地に足のついた暮らしをふたりで続けることで、収入はお互いに生活費を最優先にするのが正解。
趣味や人付き合いも確かに大切ですが、夫婦の暮らしを犠牲にしてまで自分の事情を先に守るのは、配偶者をないがしろにすることと変わりません。
自分が手にできるお金は、ある意味では配偶者の助けがあってこそとも言えます。
生活は自分ひとりの力で成り立つものではなく、夫婦の協力が前提で仕事もできていることを、しっかりと肝に銘じたいですね。
お金のことを話し合えるふたりでいる
一緒に生活をするうえで、お金のことは避けて通れない問題です。
生活費の折半などの話題を「下品だから」「お金に執着していると思われたくないから」と避ける人がいますが、その結果自分が苦しむ状況を強いられるなら、やはり正面から話し合って解決していく姿勢が、健全な夫婦生活では大切と感じます。
「いちいち言うな」と配偶者のほうが話し合いを避ける場合もありますが、そんな人とまともに生活をしていくのは難しく、正しい金銭感覚を一緒に育てていけない場合は、別の選択を考える必要もあります。
目指すのは、生活費の負担についてお互いに納得できる道を知ることであり、それは安定した結婚生活には不可欠であることを、まずは自分がしっかりと自覚したいですね。
生活に欠かせないお金のことを、常にオープンに話し合えるふたりでいることが、大きな信頼を築いていくと心得ましょう。
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