誰もが世界観を発信し、交流できる時代というテクノロジーに夢中になっていた尾原です。
ここ数週間、西野さんが「これからのつながる時代の中で、世界観が大事だよ」という話をしています。
それがビジネスとしても大きくなるし、加えて「Midjourney」とかのお絵描きAIがすごく発達しています。
Z世代と話題を重ねるジャーナリスト堀潤さんが、この分断の時代にZ世代と一緒に語らう理由について話していきたいと思います。
名ジャーナリスト・堀潤と語らう「分断の時代」

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来月を考えると、ウクライナの問題もあるし、台湾の問題もあるし、エネルギーの問題もあるし。何よりもコストインフレとかでだんだん余裕がなくなってくる中、コロナ後の世界的な流れとして、僕たちはすごく分断しやすくなっているんですね。
日本のいろいろなニュース番組を見ていて思うのは、僕たちは、このあと有事・危機があったときにどうするのかを考えざるを得ません。
その中で「過激な意見もすごく増えてきている」ということです。
こういった観点の時代に、僕たちはどう繋がりを持ちながら、未来に対してたおやかに生きていくか?をすごく語りたくて、じゃあ、これを誰と語るんだろうと思ったときに浮かんだのが堀潤さんなんですよね。
堀潤さんはもともとNHKのアナウンサーで、原発問題とか海外でのいろいろな紛争に自ら足を伸ばし、自分の目で見て、耳で聴いて、語り合いながら視座を広げていく本当のジャーナリストです。
なかなか珍しい、自分で世界を見ながら、あらためて世界との繋がり直しを考えるジャーナリストなんです。
実は堀潤さんとは、『モーニングCROSS』で2カ月に1回くらいご一緒したり、そういったことも含めて交流させていただいていたんですけど、2021年4月から『堀潤モーニングFLAG』というかたちで、Z世代向けの方々がパネリストとして出てきて、彼らの活動や彼らの目から見えたコメントを繋いでいくことをされています。
番組が始まって1年半経つんですよね。その中で堀潤さんが、Z世代の方々から見た視点・視座を積み重ねていっています。
「余裕がなくなって世界が分断しがちな今、次の世代が自然なかたちで活躍の場を広げ、そこでの交流を広げていったところで何ができるんだろう?」という話をしたいと思います。
悲観主義は「気分」であり、楽観主義は「意志」である

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こういう分断が起こりやすいときに、僕がすごく大事にしている言葉があります。
それは、アランが『幸福論』の中で書いたもので、「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」という言葉なんです。しかも、この言葉は以下のように続くんですね。
「気分にまかせて生きている人はみんな、悲しみにとらわれる。否、それだけではすまない。やがていらだち、怒り出す」「ほんとうを言えば、上機嫌など存在しないのだ。気分というのは、正確に言えば、いつも悪いものなのだ。だから、幸福とはすべて、意志と自己克服とによるものである」と。
要は、人間というのは放っておいたら悲しみにとらわれちゃうんだよと。悲しみにとらわれると、悲しんでいる自分はツラいから、「悲しんでいる原因を作っているヤツは誰なんだ」と苛立って、「アイツによって悲しみは作られているんだ」と。
悲しみって自分の責任なんですけど、怒りに変えると「アイツが悪いんだ」ってなるから、ラクになれるんですよね。
なので、人間は放っておくと悲観主義になっちゃって、やがて誰かにその悲観を押しつけて、分断に至ってしまう。
だから「上機嫌でいること」「誰かと繋がり続けること」という楽観主義は、自分で意志を持って、そう居続けることだったり、ついつい否定的になりがちな自分を克服していくのに大事です。「自己克服による」ということを、考え続けなきゃいけないんですよね。
これって、マザー・テレサが言っていた「If you judge people, you have no time to love them.」という言葉とも、すごくつながっています。
マザー・テレサは、「アイツは悪だよ」と決めつけてしまう(ジャッジする)ことは簡単にできるんだけれども、一回「あの人は悪だ」と決めつけてしまったら、その人たちを愛する時間はもう取り戻せないと言っているんですね。
分断していく時代、アメリカは二極化(ポラライゼーション)が進んでいて、アメリカ全体が「共和党」と「民主党」という赤色・青色に分かれていくなか、ある統計だと、「息子や娘が『民主党の人を彼氏として結婚したいんだけど』『彼女としてこの人(共和党の人)と一生添い遂げたいんだけど』って紹介してきたら、3割の人が反対する」と結果が出ています。
そのくらい、いつの間にか政治的な共和党・民主党という信条が「共和党のヤツにうちの敷居をまたがせん」「民主党のヤツと結婚するとは何事だ」みたいになって、分断が起きちゃっているんですよね。
なので、僕たちはどこまでも意志と自己克服を持って楽観主義で居続けること、繋がり続けることがすごく大事です。
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