大学生のころ、自分の未来についてものすごく悩んだ経験があります。学校も面白くない。とはいえ、何をしていいかわからない。
毎日ダラダラと過ごし、そのうち学校にも行かなくなった。
一応家は出ますが、本屋や図書館に直行。考えてみると、親不孝なことをしていました。高い学費を払ってもらっていたのに、登校しなかったのですから。
ところで僕は何に悩んでいたのでしょうか?きっと、「このままでいいのか」という悩みです。残念ながら、これには答えがありません。
何かしたいことがあるなら別ですが、そうではなかったからです。「したいことはないけど、いまの状態は嫌」ということ。では、どうしたらいいのでしょうか。
自分自身に疑問を抱いていた、あのころ
答えが出ないまま、日は過ぎていく。悩み深き青春の日々。でもこのままではマズイ。なぜなら、卒業できないから。
さすがに心を改めて、イヤイヤながらも授業に出るようになりました。かなりサボったので、1回生でほとんど単位を落としました。
幸い、私が通っていた学校は、どんなに単位が取れなくても、進級はできます。4回生にはなれるのです。
しかし、その後が問題。卒業に必要な単位に達していなければ、留年です。最後にツケを払うことになるので、このままではいけない。
だから、私は真面目に授業に取り組むようになりました。しかし自分が理想としていた姿では、決してなかったのです。
モヤモヤ状態は続いたものの、とりあえず何もしない状況からは脱却しました。重要なのはここから。
真面目に授業に出て、とりあえず卒業単位は満たした。しかし、それで終わりではありません。そう、就職活動です。当時は、平成になって間もないころ。バブル景気です。
「オレは6つの会社から内定をもらったよ」という友達がいた。僕は「断るのが大変そうだな…」と思いました。
その点、僕は心配ない。1社も内定をもらえなかったから(笑)。いやいや、笑っている場合ではありませんね。
卒業しても就職先がなければ問題。ここでも「困難」が降りかかってきました。就職の悩みは誰でも体験することですが、自分にとってこれは重圧でした。先ほども書いたように、いまの自分自身に疑問を持っていたからです。
自分を売り込む就職活動で、肝心の自分に自信がない。就職活動への意欲すら湧かなかった。しかし「意欲がないからやりません」というわけにもいきません。そこで必死で探して、ようやく予備校で働くことになったのです。
就職後は、忙しい日々が続きました。平日は当然毎日出勤です。そんななかで、いつの間にか人生の悩みを忘れていました。今度は人間関係の悩みや、仕事の悩みが大きくなったからです。
新しい悩みは、前の悩みを解消してくれます。しかし、前の悩みを忘れたわけではありません。心のなかにずっとあるのですが、日々の忙しさで意識しなくなったのです。
解決したのは、ずっとあと。
15年ほど予備校で働いて、ある日独立することになりました。その経緯は不思議なくらい自然でした。ようやく、自分の「心からしたいこと」が見つかったのです。
悩みを解決しようともがいていた時は、何も解決しなかった。現実的な問題が降りかかってくるなかで、それに対処しているうちに、最終的に答えが出たのです。