男性の家庭参加は仕事や社会にもプラスに
男性の育休義務化など、最近話題となっている「男性の家庭参加」について、おふたりはどのように考えているのでしょうか。
吉村先生:現状では、たとえば男性は1週間程度しか育休を取れないケースもあるかもしれません。すると「たった1週間で男性に何ができるのか」と思われてしまうかもしれない。
でも、たとえ短期間でも育休を取ることはとても大事。仕事よりも育児のほうが圧倒的に大変なのだと、身を持って理解できるからです。
男性にとって、子育ては自分育てだと思いますね。子育てをすると、まず、他人に対して非常に寛容になります。
次に、自分の仕事が非常に効率化します。効率的に仕事をしないと、育児なんてできませんから。そして、職場以外での新しい社会とのつながりもできます。
私が子育てをして何よりよかったと感じるのは「人を育てる」スキルを学べたこと。若くして教授になったので、当初は鼻もちならない嫌なヤツじゃなかったかなと思うのですが(笑)、子どもを育てたことで非常に成長したと思います。
りゅうちぇる:今年の10月に育児セラピスト1級の資格を取ったんですけど、その勉強をしていたときに教えていただいたのが、男性が家庭に進出して子育てをすることは、吉村先生がおっしゃったような自分育てのほかに、奥さんの気持ちを理解できるようになるというよさもあるそうなんですね。
夫婦で子育てをしていると「いまは(奥さんを)手伝ったほうがいいかも」「いま手を出すと、逆に効率が悪くなっちゃうかも」とか、そういうこともわかるようになってくる。
ちょっと家族で過ごす時間を持つだけで、僕も、パートナーの気持ちをより感じられるようになりました。
あとは、家事育児に携わった男性が社会に出ると、相手の立場を想うことができたり女性に対して配慮できたりして、すごく部下に尊敬される上司になるそうなんです。
自分の家族のためにやったことが、結果として社会や仕事にもいい影響を与える。僕も、それにはすごく共感しています。
「こうあるべき」という意識を変えよう
子育て神話をそのまま信じ込むことは「時間をかけて離乳食を手作りしないと」「子どもを夫に見てもらって出かけるなんて悪い」「常にいい母親でいなきゃ」…など、どんどん自分を追い込んでしまうことにもなりかねません。
りゅうちぇるさんも話していたように「自分の」ではなく「夫婦ふたりの」子どもであることを忘れずに、パートナーと協力し合い、適度に肩の力を抜いて過ごすことで、忙しくも楽しい子育てがしていけるのではないでしょうか。
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