「終わり良ければすべて良し」。この言葉は、きっと誰もが知っている言葉だと思います。実はこれ、心理学的にも証明されていることなのです。
すべて、終わり次第
たとえば、耳を塞ぎたくなるような騒音があったとしましょう。それがしばらく続いて、急にやむと、「あーうるさかった!」となりますが、同じ騒音がゆっくりと小さくなり、最後に小鳥の声でもなると不快指数が驚くほど軽減されたというデータがあります。
つまり、同じ騒音を聞いたのに、最後に小鳥がピヨピヨとかわいい声を聴かせてくれたから、騒音だけの場合より不快度が低かったのです。
これは映画や小説や番組でも同じで、「良い映画なのにラストがつまらない映画」と、「イマイチな映画なのにラストが素晴らしい映画」を比べると、ラストが素晴らしい映画の方が印象に残りやすい。
つまり、「終わり良ければすべて良し」が少なからずと発動しているわけです。
プレゼントを渡すタイミングと、言葉
誰かと会うときの「手土産やプレゼント」も、対面したときではなく、帰り際に渡すと印象が良いというのも心理学でわかっています。さて、重要なのはここから。これ、実は言葉にもいえることなのです。
「やってみるけど、できないかもしれない」。こんな言葉を使っているとしたら、「できないかもしれないけど、やってみる」と変える。
これだけで、印象がガラッと変わりますよね。「ここの料理は美味しいけど、少し高い!」は、「ここの料理は少し高い、でも美味しい!」といってみる。
このように、言葉の順番を変えるだけで、まったく異なる印象を与えることができます。聞いた人の印象だけでなく、いった自分に対しても、です。
不思議なもので、ほとんどの人がマイナス感情を後ろに付け足すという思考回路で動いている。「おぉ、おもしろいね。ただ、広めるのは難しいね」…そんな感じで、語尾にマイナスワードを付け足すと、そこから先は思考停止に陥る。
「難しい」が強烈に残るからです。しかし「これは広めるのは簡単じゃないけど、おもしろいね」というと、どうでしょう?「おもしろい」が強烈に残り、なんとか広めるアイデアを出そうとする思考回路が働きだしませんか?
「終わり良ければすべて良し」というのは、思考回路にも影響を及ぼします。「私はネガティブなことを思わずいってしまうんです…」という人も多いですが、大丈夫。その後で、いい言葉を付け加えれば良い。だって、終わり良ければすべて良しだから。
帰り際に、皆に笑顔を向けてから帰ろう。別れ際に、必ず相手が喜ぶ言葉をかけよう。1日の終わりは、いい言葉を唱えて締めくくろう。
それだけで、私たちの思考回路は大きく変わるし、周りの人への印象も大きく変わる。言葉は、新たな現実をも創り出します。
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