厚生労働省が発表した「平成30年度雇用均等基本調査」によると、日本の2018年の育児休業取得率は女性で82.2%。最近では小泉環境大臣が12日間の育休を申請したことで話題になり、男性のなかでも「育休取得」という考えが広まったと思います。
しかしこの「育休」、実は2種類あることをご存じでしょうか。1つが各会社(勤務している会社)が独自に認めている「育児休暇」、もうひとつが1991年に日本の法律で定められた「育児休業」です。こうして比較してみると、ひと言で「育休」といっても大きな違いがありますよね。今回は2つの「育児休暇」にフォーカスをあててみましょう。
育児休暇のメリットとデメリット

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多くの働く女性は、産後「育休取得」を考えているのではないでしょうか。では、育休を取得することによるメリット・デメリットにはどんなものがあるのか。私の周囲のママたちの声なども含め、改めて考えてみました。
育児休暇のメリット
- 子どもと過ごす時間が増える
- 育休中でもお金の心配をしなくて済む
- 産後、身体への負担を減らせる
- パートナーも積極的に協力してくれ、精神的な負担が減る
- 子育てはあるが、気持ちに時間の余裕ができる
- 自分に使う時間を捻出できる
近年ではパートナー(父親)も育休を取得するケースが増えてきているように感じます。お互い協力することによって、女性の肉体的・精神的な負担が減り、より育児を楽しめるようになるかもしれません。
育児休暇のデメリット
- 会社の育休制度がしっかりしていない、取得しにくい
- 社会復帰することへの不安
- 元の職場にもどれない、配置転換がある
- なかなか理解を得にくいときがある
近年では、多くの会社も女性の活躍推進に力を入れ、育児休暇の取得や復帰しやすい環境作りを目指しているかと思います。しかし現状は、どこか後ろめたさを感じてしまっているママも少なくないようです。女性にも働き続ける権利はあります。社会復帰の第一歩として、きちんとお休みを取得することは大切なこと。企業や周囲が協力的になるよう、社会全体で理解を促していきたいですね。
ママたちの声
- 育休を取得して復帰するか、会社を辞めるか迷っています。仕事上、人手が足りなく残業、土日出勤も当たり前だったので復帰後が不安です。環境を変えて転職することも考えています。(20代後半/飲食店)
- 通勤場所が遠いし、子どもに何かあってもすぐに迎えに行けないのが現実。旦那ともに地方出身なので周りに頼る家族もいなく…仕事は好きだけど、パートもしくは専業主婦という選択肢しかないかな。(30代前半/OL)
パートナーの育休協力は?
1991年に育児休業法が制定されてから30年ほど経ったヨーロッパでは、40〜50%の育児休暇取得率を誇っています。さらにフィンランドでは80%の男性が取得しているというから驚きです。
それに対し、2018年の日本の育休取得率は男性でわずか6.16%。この数字からみるといかに育休をとる男性が少ないかわかりますね。ママが社会復帰をするうえで、パートナーの協力は必要不可欠。しかしこの数字から見ると、日本はまだまだ男性が育児に積極的になりにくい環境であることが見えてきます。
私の夫はスペイン人ですが、子育てに積極的。休みの日などは子どもとの時間や、夫婦の時間を大事にしてくれます。子育ては、家族が協力するのは当然のこと。夫婦だけでなく、親世代までもサポートしてくれます。
そして私の職場体制も、子育て世代を支援してくれているので、周囲に気を使いながら育休を取得するのではなく、自然な流れで取得できています。現代社会において、働く女性は育休取得後も安心して社会復帰しやすい環境が必要不可欠です。