歴然とした「健康意識」の差
衛生面だけではありません。健康面に対しても、アメリカ人と日本人では少し意識が違うような気がします。というのも、「運動=自立のため」という認識がアメリカには色濃いと最近感じるようになったからです。
日本では、体を動かすエクササイズというものが「ダイエット」に直結している印象があります。ほかにも、たとえば趣味がゴルフであればゴルフのための運動、テニスならテニスのためというように、何かしら目的意識がある人が多い。
日本でジムに通う人も、体づくりやダイエットという目的でエクササイズをする人がほとんどで「健康」のために体を動かしているのは、意外とご年配の方ばかりなのではないでしょうか。
日本では運動が体にいいことは誰もがわかっているにも関わらず、特別に太っているわけではなかったり、現状維持ができている人、いまのスタイルで満足できている人の多くは、運動を自分に課す人はあまりいません。
それは、日本の医療保険制度がアメリカとは大きく違うためだと考えます。怪我をしても、体調が壊れても、すぐに病院へ行けるという日本の国民皆保険制度があるからでしょう。
以前お話しましたが、アメリカでは日本のようにすぐに医者に掛かれません。旅先であれ、近場にある医者に自由に通えるかというと、できない。怪我も病気も、金銭的に命取りになるのがアメリカなのです。アメリカではかかりつけ医を通すことが当たり前で、勝手に大きな病院に訪れたりすると莫大な請求が送られてきます(加入している保険の種類にもよります)。
だから運動が好きとか嫌いとか、そういうことではなく、「体」の「健康」のために、ジムに行く人の割合がとても多い。「普段動かない生活」は、健康を害するという認識が高いし、「病気にならないために」「免疫力を高めるために」という健康意識がアメリカ人は高いと思います。アメリカの会社では、社内にジムが設けられているところもあるんですよ。
「健康を害する=病気」になるということだから、そうなるとものすごいお金が掛かるという恐怖。つまり、アメリカ人にとってジムに通う、運動をするということは、ストレス解消だったり、不眠解消のため、病気にならないための自己投資的意識。「病気にならないため=免疫力UP」という意識。
アメリカ、とくにロスは車社会で、日本のように電車で通勤、通学がありません。つまり、日本にいるのとアメリカにいるのとでは、歩く量は圧倒的に違います。私のクライアントも「日本に行くと美味しいものがたくさんあるから太る!」と懸念して日本に帰国していますが、意外と太って戻ってくる人はいません。