カテゴライズするのはナンセンス
「他人の性的指向や性自認はどうでもいい。そもそも人はひとりひとり違うんだ」。多くの人がそんな意識を持てる社会になるといいと思う。
先日、セクシュアルマイノリティを自認している友人と“そうではない”友人との会話で、“そうではない”方の友人が、こんな質問をした。
「私ももっとセクシュアルマイノリティについて理解したいなって思うんだけどさ、セクシュアルマイノリティであることを自認している人たちって、どんなことに悩んだり困ったりしているの?」
それに対し、マイノリティ側の友人の回答はこうだった。
「セクシュアルマイノリティだからってひと括りにするのは違うんじゃないかな?例えば障害のある人だって、ひとりひとり障害の程度も異なれば、困っていることやサポートしてもらいたいことも違うでしょう?あるいは何も困ってない、不便を感じていないって人もいるわけだし。
それにこうした質問をされると、白杖を持って歩いてくる人には、『視覚障害者だからぶつからないように歩こう』って自然に気遣えるけど、見た目からは特にわからない人たちに対しては、『私たちの目に見えないことはわからないから自分から告知してください』とでもいいたいのかなって思っちゃう。
それって、『わかりやすく自分と違う』とか『不自由そう』に見える人にしか気遣えないってことになっちゃわない?でもぱっと見は変わらなくても、みんな何かしら悩みや困りごとがあったりするでしょう?わざわざいわないだけで。
セクシュアルマイノリティについても一緒だと思うよ。私が何かに困っていたり悩んでいたりしたら、自分から発信していると思う。いわないってことはそのままでいいとか、そっとしといてほしいとも取れるんじゃないかな?セクシュアリティって部分だけ引っこ抜いて見るのはナンセンスだよ」
質問した彼女はハッとしたようにこう返した。
「確かに。自分が”じゃない方”だからって、変に気を回しすぎてるかもしれない。それはそれで返って腫れ物に触るみたいな感じでよくないよね…。セクシュアリティがどうであれ、悩みや困りごとだって、それぞれ違って当然だね」
そう、いくらどんなにカテゴライズしようとも、そのなかにだってさまざまな人がいるのである。
先日、Twitterで『ハリー・ポッター』シリーズの原作者であるJ・K・ローリングが、人道支援メディア「Devex」の記事を引用しながら「生理がある人々=『女性』というべきだ」と揶揄した。
‘People who menstruate.’ I’m sure there used to be a word for those people. Someone help me out. Wumben? Wimpund? Woomud?
Opinion: Creating a more equal post-COVID-19 world for people who menstruate https://t.co/cVpZxG7gaA
— J.K. Rowling (@jk_rowling) June 6, 2020
これが「トランンスジェンダーを差別する発言だ」と、国内外で議論を呼んだ。「生理がある人=女性」と定義するのであれば、身体的性や性自認は女性だが、病気により月経のない方はどうなるのだろう?トランスジェンダー女性(MtF)は?
私がこうであると決めるのはあくまで個人・自身であり、他人が勝手にカテゴライズするものではないのだ。