イタリアと冷製パスタの意外な関係
すっかり夏本番のローマですが、ここまで暑いとなかなかパスタも喉を通らなくなります。 素麺やつけ麺などを欲してしまうのは、私が日本人だからでしょうか?
こんな暑さでも、昼時にはパスタを欲して帰宅するのはイタリア夫!正直、パスタを見るのすら嫌な日もある私ですが、 めげずに作っております。
こんな時期に唯一手が出るパスタといえば、やはり冷製パスタでしょうか。
実はイタリアでは、歴史上、冷製パスタ(ロングパスタにて)が存在しなかったのをご存知でしょうか?
イタリアで冷製といえば、ショートパスタを用いて野菜やチキン、もしくはツナなどとあえるもの、もしくはライスサラダぐらいで、ロングパスタを冷製でというのは通常はありえません。「通常」と書いたのは、家庭や一般的なレストランのメニューには出てこないという意味です。
数年前に他界してしまったのですが、新イタリア料理の巨匠として名を馳せ、彼なくして新イタリア料理は語れないとまでされるMarchesi Gualtiero(マルケージ・グアルティエーロ)。
イタリアで初めて三つ星を獲得したシェフとしても名高い方ですが、その彼が、1980年代に初めてロングパスタを用いた冷製パスタをイタリアに広めました。
パスタというよりはサラダ感覚だったといわれるそのお皿は、贅沢にもキャビアとともにお披露目されていたそうです。彼にロングパスタの冷製という閃きを与えたのが、日本のざる蕎麦だったというのですから驚きますよね。
とはいえ、スパゲッティなどのロングパスタはやはり熱々のソースとのイメージが強いイタリアです。
星付きレストランでこそロングパスタの冷製は見かけますが、やはりその後も一般家庭や一般レストランでは普及はしていないようです。
きょうは、イタリアンらしい冷製パスタをご紹介していきましょう。