きょうから実践してほしいこと
もう少しその痛みができあがった心理を想像してみると、罪悪感を持っている人の心のなかには、「誰かを助けたい」「守りたい」「喜ばしてあげたい」という「愛」があったから経験した感情でもあるのです。
さきほどの「天使」という言葉を使ったなら、天使だから誰かを救えなかった自分を責め続けている。そんな感覚ともいえるでしょう。
私たち誰もが心のなかに持っている罪悪感の成り立ちを知って、少しでも楽になっていただければそれでよいのですが、なかには罪悪感を感じていることにすら気づけなかったり、そんな理屈を知っても自分を責める気持ちは減りはしないと感じている人もいると思います。
また、劣っている自分を許せないという気持ちは、できがよくないという「思い込み」とその自分を責める罪悪感という感情が心のなかで絡み合っている状態です。
実際に自分を責めているときの私たちは、自分を本当に罪人のように扱っています。
カウンセリングでは少し時間をかけて、そんな罪悪感や思い込みを手放していきます。もっと深くその痛みを抱えた背景や感情を心で体感し、誤解を解いていったり、感情に向き合い感じることで罪悪感を解放していったり。
また自分を許し愛していけるようになるための方法や取り組みはいろいろとあります。ただ、いま、先にお伝えしておきたいことは、どんな方法や取り組みするにしても…
自分に対しても、また自分以外の人に対しても、まず「許したい」と思うことが何よりも大切です。もしくは、許せるような自分になりたいと「本気で」思うことです。
そう思うことができれば、カウンセリングなのかセラピーなのか、はたまた本なのか…許せるようになる方法は自ずとあなたのもとに引き寄せられてきます。
そしてもうひとつお伝えできること。それはいま、あなたが経験している問題が、あなた自身だけのことではなく、周りの世界や人の問題にも「自分のせいだ」と感じているとすれば、あなたは周りの人や自分の周りの世界との「つながり」を感じられているということです。
もちろんいまは「自分のせいで」という否定的な感覚でつながりを感じているから苦しいのですが、つながりを感じるられるあなたの力は素晴らしいものです。
もしできるなら、つながりを感じている人たちの幸せをきょうから祈ってみてください。彼らが幸せだったり喜びを感じている姿を、心のなかに思い描くだけでいいです。それを日々の習慣にしてください。
きっと1カ月もすれば「すべて自分のせいだ」という思いも、「劣っている自分が許せない」という気持ちも、ずいぶん軽くなっていると思いますよ。
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