「気にしい」なHSPは恋愛下手?
思い返すと、若いころ、好きな人や彼氏についての悩みを友人たちに話すと、「それ、被害妄想だよ!なんでそんなマイナスに取るの?そんな細かいこと気になったことないんだけど〜。あんた、気にしすぎだから!」という言葉が毎度返ってきていた。
当時は自分に自信がないからなんだと思っていたが、いまになってみると単純に、自分はいろんなことに敏感で気になりやすい気質だからなんだなと思う。
一方で、まわりから見られている私は「いつも元気で明るい前向きな人」であったため、上記のような悩みを打ち明けると本当に毎回驚かれた。
「そんなことを思う人だったの!?信じられない!悩みなんてないかと思ってたよ…」と。そこには「悩みがない人なんているのかよ」と心のなかでいつも突っ込みながら(笑)、ヘラヘラ笑っている私がいた。
このヘラヘラ笑いにも隠されたものが実はある。そう、私はこのまわりから持たれる「いつも元気で明るい前向きな人」のイメージが、時に苦痛になっていた。
しかし、空気を読みすぎるあまり、それを崩してはならない、という私の気質・性質が奮闘する。そして、また帰宅するとどっと疲れていることに気づく(でも人と付き合うことは、全然嫌ではない)。
片思いをしているときなんて、相手と過ごす時間が楽しい反面、相手の一挙手一投足に気が気でないのは、敏感になっている以外の何ものでもないと思う。「彼はどういうつもりで私といるの?好きなの?嫌いなの?」と。そして、またどっと疲れる(笑)。でも、実は全然楽しいのである。というか、楽しめている時間もちゃんとあるのだ。
誰よりもゆるい涙腺
そういえば、家族とのことになるとすぐ涙を流すということも思い出した。
思い起こせば、若いころはなぜか泣きながら母とよく言い合いしていた。「家族なのにわかってくれない!」という思いが勢い余って涙に変わっていたのかもしれない。
いまでも、家族に何かあるとまるで自分の事のように私だけ涙を流しているということがよくある。当人たちはカラッとしているのに(笑)。
昔から両親や姉たちはそんなことがなかったので、やはりこれは私が、感受性が強いHSPの気質を持っているからなのであろう。
私は、前述の通り、基本性格は明るく前向き好奇心旺盛でなんでも楽しむタイプ。占いだの性格診断だのでもだいたいそう出てくるし、ちゃんと自覚もある。
けれど、自分のなかでHSP的な反応はあるので、改めて「性格と性質は似て非なるものである」とわかる。性格と性質、両方持ち合わせて自分という人間ができているんだなと思うと面白い。
と同時に、HSPとはやはりただの「性質」であるということがわかり、それも自分の「個性」と思ってみると悩みではなくなり、受け入れてその自分も愛でながら共存して生きていこうと思えるものだ。