動じない心の育て方
常に平常心を保てるような人になりたいなぁ。渡航する前にぼんやり考えていたことがあるのですが、期せずして海外に住むことでこのスキルを習得しました。というか習得せざるを得ない状況が多々起こりました。
よく「海外生活にはハプニングがつきもの」という言葉を聞くことがあるかもしれませんが、これは本当です。
私の場合は、突然水道が逆流して部屋中が水浸しになったり、かと思えば貰い事故で賃貸物件を急に追い出されたり、裁判沙汰の事件が起きたり、車上荒らしにあったり、クレジットカードがATMに吸い込まれたり、自殺を試みるルームメイトを必死に止めたり…。
住環境を変えるとこんなにもトラブルが発生するのかと思うくらいめまぐるしい日々を過ごした結果、「少しのことでは動じない心」が育まれました。
海外で暮らすと強くなるとよく耳にしますが、それだけトラブル対処や打開力が培われるからだと身をもって学ぶことができました。
帰国後に再就職はできるのか?
私が海外に行く前に心配していたことは、日本での再就職が叶うかどうかです。
もしこれから海外留学を検討していて同じ悩みを抱えている人がいれば、これは「心配するべきチェックリスト」から一番はじめに消してもよい項目といえるとアドバイスできます。
私が帰国後、ハイキャリア向けの中途人材会社のエージェントに再就職の相談に出向いた際、30代前半であれば、逆に海外経験はプラスに働くという情報を得ました。
「多くの企業が求める英語力については、TOEICの点数でなく、いかに実践を積み重ねてきたか、英語での会話に抵抗無くスピーキングを行えるか」を応募要件に当てている会社が多いようです。
すべての企業がそうとはいえませんが、これまで私が面接を受けた企業は英語での会話を重視する傾向でした。
裏を返せば、自動翻訳の性能が上がっていているので、ただメールを翻訳して海外企業と取引できればいいというよりかは、緊急時にコミュニケーションを円滑に行えるような人材がいまは売り手市場です。このような背景から、海外生活の経歴を強みに日本で再就職を行えば、なんら問題なく事は済むと思います。
これはあくまで私の場合ですが、書類審査で落ちるのを前提に海外で履歴書を各方面に配りまくっていたので、就職活動に対するメンタルは相当強くなっていました。
そして、あまりいい言い方ではないかもしれませんが、日本に比べて諸外国人のほうがジョブ面接の際に大口になる傾向があります。
つまりは海外就職を行う際はライバルに勝つためにも自身の能力を盛って話すようになるので、日本の面接でも多少のパフォーマンスは物ともせずに対応できる精神力がついているはずです。
能力的にも精神面でも出国前と後では雲泥の差。多くの人がきっと海外生活後に日本でキャリアップできていると思うのと、事実私は前職に比べて年収が150万円ほどアップしました。