「あるもの」でなく、「ないもの」に向かうこころ
また、仕事でも体重でも、目標が数値であればその数字と向き合えばよいのですが、人の評価などが目標値になると心はもっと揺れ動いてしまいます。
こんなに頑張ったのに、誰ひとりとして「痩せたね」といってくれない。寝ないで作品をつくったのに、誰も評価してくれない。
また、恋や夫婦関係への取り組みも数値で計れるものではありません。こんなに心に向き合ってきたのに、相手は何も変わってくれていない。そんなときには、この話を思い出してみてください。
よく、「心はあるものでなく、ないものに向かってしまう」といわれています。私たちの心は、人生で与えられている(ある)ものよりもないものに目がいきがちだと。その心の性質を思い出して、「ないことへの不満よりあるものへの感謝を忘れないように」という教えです。
それと同じ心の性質が、私たちが周りの世界を見ているときにも起こっています。あなたのことを評価したり応援してくれている人よりも、そうでない人のほうに目が行きがちなのです。あなたの商品を買い続けてくれている人ではなく、買ってくれない人のほうに意識がいってしまうのです。
もちろん、マーケティングの作業で意識的にそれが必要なときもあるかもしれない。でも、いまは事実を正確に見るというお話です。
夫婦や付き合っている相手の心のなかには、頑張っているあなたを認めてくれている気持ちが存在するかもしれない。それにその人の心のなかには、本当にあなたへの愛やあなたを尊重する気持ちが以前より膨らんではないのだろうか?
私たちの心は、周りの人や大切な人に目を向けるときも「ある」ものより「ない」もののほうに目がいきます。そう、これは私たちの心の「受け取る」力の話なのです。
いま思い出し、受け取る必要があることは…口に出さずとも、あなたを評価してくれている人や、どんなときもあなたを応援してくれている人、あなたを必要としている人、あなたを大切に想う人、あなたを愛している人、あなたが愛されていること…そんな人が、想いが、あなたには「ある」ということなのではないでしょうか。
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