こんにちは。メンタルトレーナー&心理カウンセラーの吉田こうじです。
きょうから数回にわたり、大人になってもあなたを苦しめる『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』を連載します。
本記事内に登場する「毒親」とは
子どもに対する拒絶、侮蔑、無視、過干渉、虐待などによって、子どもの心身に罪悪感、劣等感、不安感、過剰な義務感、不足・欠乏感、羞恥心、無価値感などのネガティブな思考や感情を継続かつ執拗に植え付け、それによって子どもを「自分の所有物」かのようにコントロールする、子どもにとって「毒になる親」のこと。また、「親」とは実の親のみならず、「親代わり」の身近な人も含めます。
まずは毒親からの悪影響によって子どもが大人になって「どのような問題を抱えやすいのか」、そしてあなたの抱える問題が毒親の悪影響によるものなのかを確認する「30の質問」をお届けします。
「毒親育ち」が抱えがちな問題
毒親によって、性的、肉体的な暴力を受けてきた、気持ちを蹂躙されてきた、過干渉されコントロールされてきた、無視されたり粗末に扱われたり尊厳を傷付けられたりしてきた、罪悪感や劣等感などを植え付けられてきたetc…受けてきた内容はさまざまあれど、毒親に育てられてきた人は大人になってから、ある共通する問題を抱える傾向があるようです。
それは何かというと、「自己価値(自己信頼感・自己尊厳感・自己効力感など)」の圧倒的な欠落感」と、「自己破滅的、自虐的な人生観」の大きくふたつです。
もう少し具体的にいうなら、自分という人間がこの社会に存在している意味や価値が見出せず、人から愛されているという実感が持てない。何をしても自分には何かが決定的に欠けていて、そんな自分は社会に迷惑をかけているという日常的な不安、恐怖の感覚などがあるということです。
これはひとえに、幼いころに毒親から受けたさまざまな攻撃の原因を「自分がいけないからこういう目にあう」と信じてしまった(信じさせられた)結果です。これは「呪い」といってもいいでしょう。
「毒親育ち」が自分の価値を感じられない理由は?
でも、どうしてそんな呪いにかけられてしまうのでしょうか?
それは、心身はもちろん、経済的にも圧倒的な弱者で、自分で自分を守る術がなく、親に100%依存する以外に選択肢がない子どもは、親から受ける仕打ちの理由について「自分になにかひどい落ち度があるから、こんな目に遭うのだろう」と考える以外に、本来なら無条件で守ってくれるはずの親が、実は理不尽で不条理で信頼できない未熟で卑劣な人物だなどとは想像できないからです。(※もちろん、直接的に親からそう刷り込まれている場合もあります)
こうした思いを心の核となる部分に抱え、さらに、日常的に罪悪感、劣等感、無能感、不安感、恐怖感、羞恥心、無価値感などを植え付けられ続ければ、成長する過程で自分のことを肯定的に受け止め、肯定的な自己像(セルフイメージ)が持てないどころか、何かと否定的、自虐的、被害者的に受け取りやすくなることは想像に難くありません。
自分という存在の核の部分が、そうしたネガティブなもので形成され、かつ、それを本来なら安心できる家庭という環境の中で育まざるを得ない人生を歩めば、大人になって社会生活を営んでいたとしても、自分に対する基本的な価値、自信が持てないのは、ある意味仕方がないことといえるかと思います。