悩ましい人生のもとになる「共依存」とは
こんにちは。メンタルトレーナー&心理カウンセラーの吉田こうじです。
突然ですが、あなたは「共依存」という悩ましい状態を聞いたことがあるでしょうか?
共依存とは、もともとアルコールや薬物などの中毒状態の人を破滅から救おうと思って頑張っているつもりで、実は自分の人生も一緒に破滅に向かっている人のことを表す言葉です。
いまではそういう中毒症状のケースに限らず、自罰的、虐待的、極度の依存心や極度の被害妄想などによって破滅的なライフスタイルを送っている人と関わることで、自分の人生も気づかないうちに破滅的なライフスタイルになっている人のことも表す言葉として使われています。
マンツーマンのセッションをしていると、こうした共依存的な状態に陥っていることに気づいていないせいで、いくら環境が変わっても、いつもボロボロになるまで利用されるとか、知らず知らずに相手に依存しつつも相手をコントールしようとして悩ましい人生から抜け出せないでいる人が少なくないことに気付かされます。
そこで今回は、クライアントのBさん(50代女性)のケースをかいつまんで紹介します。
- ※許可を得て個人情報がわからないように脚色しています。
ロクでもない男にばかり惹かれる理由は…
Bさんは、自分の人生にまったく希望が感じられず、いつも絶望的な気分で、その気分が日を追って強くなっていました。何をしても、誰といても、心の中にはいつも大きな穴がぽっかりと開いていて、人と「絆」のようなものを感じたことがありませんでした。
これまで2回結婚し、結婚前にも何人かの男性と深いお付き合いをしてきましたが、お付き合いする男性はなぜかいつも「社会に適応していない人」でした。安定して仕事に就くこともなければ、ギャンブルで借金を作るとか、朝からお酒を飲んで騒ぐとか、ときに暴力を振るうとか、女性にだらしないとか…。
でもBさんは、そんな相手をなんとかして立ち直らせようと自分の実家に頼み込むなど献身的に努力して、自ら借金を返済したり、さらには借金の肩代わりまでしたり、仕事を掛け持ちしたりしていました。
ですが、そうやってBさんが頑張れば頑張るほど相手は余計に甘えて、さらにロクでもない状態になっていく…。
Bさん自身、「どうしていつも、こんなロクでもない男に惹かれてしまうのか?」「どうして付き合っている最中に見抜けないのか?」ということを考えることはあっても、「私がなんとかして助けてあげなければ!」という思いが先走ってしまい、あれこれ世話を焼き続けてしまっていました。
でも、いくら相手のために尽くして頑張っても、相手は一向に変わろうとはしません。どこまでいっても自己中心的、自己愛的で、人を労ったり愛したりすることができない、精神的に未成熟な“子ども大人”のまま。
そんな生活に別れを告げ、2回目の離婚をしてからほどなくして、僕のところでセッションが始まりました。