毒親育ちのセルフイメージが低いわけ
Aさんのケースからはいろいろなことが見えてくるのですが、その中でも特に今回お話ししたいことは、「本来は親がするべき役目を押し付けられ、親子の役割逆転家庭で育った子どもは、大人になっても“不完全な自分”というセルフイメージを持ちやすい」ということです。
Aさんは、大人でも大変な仕事と家事と育児の両立を、小学生のころからずっと頑張ってやり続けてきました。当然ながら大人がやれるようにはやれません。
でも、子どもは「なぜ自分は不完全にしかできないのか?」を理解することができません。ただただ、「頑張っているのに下手くそにしかできない」という悔しい思いばかりがつのるばかりです。
そうしたぶつけどころのないフラストレーションを合理的に処理するために、「どうせ自分は何をやっても中途半端にしかできない不完全でダメな人間だ」というセルフイメージを作り上げてしまうのです。
これは、とても悲しくて辛くて悔しくて、まさに苦肉の策だと思いますが、それでも「自分は何をやっても中途半端にしかできない不完全でどうしようもない人間」だと自分で思うことで、うまくいかない現実を受け入れ「だったらしょうがない」で済ますことができるのです。
悩ましいことに、一度根付いたセルフイメージは大人になるに従ってどんどん強化されていきます。なので、どんなに頑張っている客観的な事実があったとしても「不完全感」「不足感」がいつも付きまとうのです。
ですから、自分自身に対してどんなセルフイメージ(自己認識・自己評価)を持っているのかを知っておくことは、とても大切です。
- 自分に役に立たないセルフイメージ
- 自分の可能性を制限するセルフイメージ
- 自分の可能性を否定するセルフイメージ
などであれば、それを修正していくことで、現実世界を変えていくことができます。