トランスジェンダーの就活
就活をしていくうえで、自分のセクシュアリティを隠すことは不可能ではなかったように感じます。私の場合、セクシュアリティを伝えるか隠すか選択することができましたが、トランスジェンダーのかたではカミングアウトするしかない状況下に置かれることもあり、近年問題視されています。
たとえば、法律上の性別は女性だが、自認する性は男性である就活生が面接に伺った際、会社側は人事間での書類の共有や個人情報の取り扱いなど、多岐にわたって適切な対応をすることが大前提にあります。
自分らしい名前で読んでほしい人、体の性とは別のトイレを使いたい人など、カミングアウトしなければ快適に生活ができない当事者はたくさんいるでしょう。
また就活時では、書類や履歴書の性別欄、服装、メイクなど、自分自身のアイデンティティを表現する場は意識しなくともあふれており、本来ならばそういった場で、あたりまえに個々が尊重されるべきです。
会社側の施策
現状の課題は、企業側が十分なセーフティスペースを保証することだと思います。最近、LGBTQフレンドリーを掲げた会社を多く目にしますが、実際に施策を行なっている会社は少ないように感じます。
Nippon.comの調査では、「性的マイノリティに対する配慮や対応を意図した何らかの取り組みを行っている割合」はたったの1割であることがわかりました。
やはり当事者が安心して能力を発揮できる環境の有無は、個々の過ごしやすさだけでなく、会社側のパフォーマンスにも影響を及ぼすと思います。重要なことは、本人の意思を尊重すること。関係する個々の情報をどこまで共有してもよいのかなど、本人に丁寧に確認をして了承を得ることが大切です。
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