プライベートなことについての質問攻め
「性的マイノリティ」や「セクシュアリティ」という単語を聞いて、性的なイメージを持つかたはいまだに多くいます。たとえば、同性の恋人と付き合っていることを伝えると「女の子同士のセックスってどうやってやるの?」といった返答が返ってきたり、不自然に下ネタへと持っていかれがちです。
実際、面接では下ネタまではいかずとも、「いまは彼女がいるんですか?」と現在の恋愛状況について尋ねるなど、プライベートな質問へとシフトチェンジすることはありました。
のちほど調べてみると、面接で労働契約とは関係のないプライバシー情報を質問することは、セクハラとなる可能性も十分にありえることを知りました。雇用を検討するうえで関係のない質問は、答える必要はないのです。
とはいえ、相手は面接官。なかなか「No」ということはできず、当たり障りのない言葉で返答していました。
またこのようなプライベートな質問をしてはいけないことを承知したうえで、「本来面接でこういう質問はするべきではないのですが…」と前置きする面接官もいて、いま考えるとおかしいと声を上げられるような出来事はたくさんありました。
セクシュアルマイノリティは珍しい生き物ではない
「私、同性愛者のかたとお話ししてみたかったんです。面接関係なくお茶したいです〜!」と興味深そうに女性面接官から言われたとき、複雑な気持ちになったことをいまでも覚えています。
これには海外留学をしていたときと、似たような感情を抱きました。日本人であることを初めて外国人に伝えたときから、相手がいままで以上に興味を示したり、関わろうとすることが多くあったのです。
「人として見られていない?」「もし自分が同性愛者ではなければ、この人とは友達にはなれなかったのかな?」と思うと悲しくなります。たとえその人に悪気がなくても、無意識に差別や傷つくような言動が日常にはあふれているのです。