ちょっと自分を崩すと呼吸が楽になる
回復に必要なのは、ちょっと言葉が変かもしれませんが「崩す」ということです。何か確固たる目的を崩すということがとても大切。いままで自分が持っていた「これはいいかな」というものをちょっと疑ってみることです。
アダルトチルドレンや共依存の人たちは、いままで信念を持っていて、とても頑張って生きてきた人たちです。その人たちが行き詰まったとき、いままで持っていた思い込み、頑張り、信念を、相撲のけたぐりのように、スッと足を払って、よろけるくらいにします。
まるっきりひっくりかえして正反対になってしまうと、また逆転が起きるので、ちょっと崩すという感じでやっていくのです。
私はアダルトチルドレンの回復に最終目標があるとは思いません。だいたい、バラ色の人生なんていうものはあるはずがないのです。
思い込みとか、確固たる信念とは、張りつめた空気のようなもの。張りつめると少し怖いところがあります。パンとはじけると割れてしまうからです。
ちょっと崩すと緊張がやわらぐ、やわらぐとスッと空気が流れる、気流が起きる、といった感じになります。そうすると私たちは、楽に呼吸ができるようになるのです。ですから、できるだけバラ色の人生などと考えずに、「ちょとましな楽な生活」ぐらいに考えましょう。
「母との関係が変わると、世界も色も変わると思うんです!」などと意気込むと、反転したときに「もう駄目だ!」という絶望になりがち。私のカウンセリングでは問題解決型のカウンセリングをおこなっていますが、頑張らなければできないことをおこなうわけではありません。
無理なく簡単にできることをおこない、いままでの生活のバランスを「ちょっと崩す」ことにあります。崩したものが積み重なって「偉大な目標」になったら、またそれをちゃんとつついて崩す、という繰り返しなのです。
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