みなさま、こんばんは。思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。きょうは「インフルエンサー」について、みていきましょう。
「YouTuberになりたい」我が子とどう向き合う?
さて、子どもも大人も、YouTubeのお世話になっていない人はいないのではないでしょうか。娯楽以外でも、料理、ボタン付けや髪の結い方、ネクタイの結び方やメイクの仕方など、ありとあらゆる分野の「やり方」を無料で観ることができますよね。
最近では、ガイドラインも厳しくなり、アダルト禁止や過激な動画や暴言禁止など、視聴者側に優しい環境が整いつつあります。規制も入れることができるので、子ども向けに設定できるのも魅力ですよね。
また、芸能人のYouTube参入が話題となっており、江頭2:50さんがチャンネル開設後すぐに100万人のフォローがあったなど、何かと話題が耐えません。
なりたい職業ランキングでは上位からは転落していますが、それでもまだ「YouTuberになりたい」と願う子どももいるのではないでしょうか。YouTubeではなくても、TikTokやInstagramの配信をしたいという子もいるでしょうね。こんなとき、親としてどう答えたらよいのか、迷ってしまいますよね。
「YouTubeは普通に利用していて、便利なものであると知っているはずなのに、我が子がYouTuberになるのは反対」この理由だけだと、なりたいと盲目になっている思春期の子どもには通じません。
ネットリスクを話したり、職業として成り立たせる困難さなどを伝えるのもひとつですが、私としては「実際に動画を作らせてみる」ことをオススメさせていただきます。
コロナ禍で、動画編集や顔を出さずに配信をする子どもも増えてきていますよね。かく言う我が息子も、中学2年生のときに「YouTuberになりたい」と言ってきたことがありました。
そのときはちょうど反抗期だったので、反対しても意味がないだろうなと思った私は「わかった、母さんもなるから一緒にヒ○キンをめざそう!」と、共にやる声明をだしました。
息子は驚いていましたが、一緒に企画を考えたり、動画制作には何が必要なのかを学ばせたりしたのは、親子で有意義な時間だったかなといまでは思います。このときのコツが、
- アカウントは親が管理すること
- 学校に通いながらやること
- 顔出し、個人情報が流出しない動画にすること
- 誰かを傷つけるような内容の動画にしないこと
です。これを守れるのならば、ある程度は放っておきました。自分がやりたいことを後押しされているわけですから、本人はもうウッキウキです。
- 動画作成に必要なパソコンを選びに家電量販店を観たり、調べたりする
- 有名動画の構成を分析する
- チャンネル登録を増やすにはどうしたらいいか考える
- 動画作成ソフトは何にするのかを考える
きちんとYouTuberをやると、なかなか大変な作業なのですが、いろいろなスキルが身に着くのですね。
毎日動画を撮って、編集して、決まった時間にアップして、普段当たり前のように観ている動画が実は、こんなに大変な「裏作業」の賜物であると実感できるわけです。
そしてこれらのスキルは、これからの時代にも役に立ちます。動画が編集できると会社で重宝されますし、サムネイルの編集は画像編集は勉強にもなります。ほかにも、企画立案、マーケティングなどなど…。そして、最終的に何が身につくのかと言うとそれは「仮説検証するスキル」です。
「こういう動画を作ったら、どの層が喜ぶだろうか?」「別の動画ソフトのほうが便利なんじゃ?」「この動画のなにがおもしろくなかったのだろうか」などなど、社会人になって使うあれやこれやが、学べてしまうのですね。
また、自分がこの手の作業に向いているかいないかを早い段階で知ることもできます。どんな職業もそうですが、「なりたい」だけではなれません。
実際に、息子は半年後くらいに「やっぱ俺、YouTuberになるのやめるわ」と言ってきました。私にパソコンの機能性や、動画ソフトの説明をし続けていたら「教える仕事」がしたくなったそうです。そしていま、その職業に向けて日々、大学で勉強をしています。
もし、あのとき私が猛反対をしていたら、いまの息子はいただろうか…と、たまに思うときがあるのですが、子どもの成長は親が思わないところでするものなのだろうなぁと思っています。
なのでもし、「お子さんがYouTuberになりたい」と言ってきた際は、しっかりと話を聴き、知的好奇心を潰さないことを念頭に、接してあげてほしいなと思います。
きょうの実践課題
- 子どもの好きな動画を知っていますか?また、それがなぜ好きなのかを知っていますか?わからない場合は、子どもとYouTubeについて話し合ってみましょう。
- 子どもがYouTuberになりたいと言っていたとき、あなたはどのように返そうと思っていますか?否定する以外の対応を考え書き出し、子どもに伝えてみましょう。
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