こんにちは。韓国在住歴3年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
今回は筆者が韓国でスパイ疑惑をかけられたときのお話です。先に言っておきますが、もちろん筆者はスパイではありません。
では、韓国で日本語を教えてたまに翻訳している日本人が、どのようにスパイ容疑をかけられてしまったのでしょうか。
普通に生活していたらまず経験しないようなことなので、在韓日本人のみなさんは安心してください!
韓国でスパイ容疑をかけられるまで…
私にスパイ容疑をかけた人は、ある小さな小さな会社の編集者でした。在韓コミュニティサイトの翻訳業務募集を見て、筆者が応募したのが出会いです。
通訳・翻訳の大学院に入るために、練習も兼ねて翻訳の仕事を少しずつ始めたいと思っていたこともあり、まずはトライアルで韓国の軍隊に関する文を渡され、翻訳テストをしました。
トライアルの試験はパスしたのですが、「実はいまは翻訳の仕事はあまりない」「よかったら記事を書いてみない?」などと提案され、翻訳で応募したにも関わらず、「韓国の文化」「韓国の社会問題」をテーマに原稿の発注を受けるようになりました。
最初の1カ月ほどは人当たりもよく、原稿を送ったら丁寧に校正もしてくれました。かなり勉強になり、満足していたのですが…徐々に違和感を覚えはじめました。
その違和感というのを具体的に挙げると、
- 韓国に嫌悪感を持たせるような言い回しに勝手に変えられることがあった
- 「この人がうちのエースです」と紹介された記事の思考がかなり偏っていた
などなど。自分はそのような記事を書かなければいいと思い、執筆を続けていたのですが…。
数カ月経つと、違和感は確信に変わりました。相手側がかなり横柄な態度になったからです。たとえば、
- 指摘された校正を3〜4回繰り返したにも関わらず、「編集者が気に入らなかった」の一言でボツになる
- 具体的な指摘がなく、「内容がうすい」の一言で書き直しの繰り返し。その後ボツになる
- 「日本語が変」の一言でボツになる
- 深夜にカトク(カカオトーク)で連絡がくる
- 日韓の悪口を送りつけてくる
などです。さすがにおかしいと思い、「もう記事は書かない」と連絡をしたところ、慌てた対応で
- あなたは日本に対しても、韓国に関しても知識が浅すぎる
- 翻訳家になりたいなら経験が大事だから、大学院に行くより記事を書いたほうがいい
- もしあなたが本気で記事を書きたいなら、こちらも本気で応援してあげるよ
と言ってきました。
その人はもともと自分を在日韓国人だと話しており、日本語があまり得意でない印象があったので、「これでは話にならない」と韓国語で連絡しました。すると、逆上してしまったのです。
こちらがひたすら韓国語で話し続けると、「あなたは北朝鮮のスパイだ!」「私が大使館に申告したら、あなたに被害が及ぶけど覚悟はある?」と連絡が来ました。そして、本当に大使館に「この人はスパイです」と申告したそうです。
正直なんの根拠があってスパイだと勘違いされたのかわかりませんが、夫と一緒に「世の中いろいろな人がいるから気をつけないとね」と話しました。
あとで聞いた話ですが、一部の韓国人(あるいは日本人)のなかには「自分が立派に生きていけないのはこの社会のせいだ」「韓国も、ついでに日本も大嫌いだ!」と考えてしまう人もいるようです。今回、筆者はそのような人に出会ってしまったのかもしれません。
これまで出会ったことがないようなタイプの人だったので、「こんな人も世の中にはいるんだな」と勉強になりました。
外国に住んでいて、寂しい思いをしている日本人主婦などはターゲットになりやすく、被害を受けることも多いそうです。みなさんも危険を察知したら、すぐ離れるようにしてくださいね。
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