こんにちは。垣屋美智子です。現在私はスタートアップ企業の財務・経営支援をするほか、「誰でも今すぐできる」をテーマにマネー、ライフ、キャリアについて執筆、講演活動を行っています。
今回はメルマガ読者の方からいただいた、インターナショナルスクールについてのご質問に答えました。
読者の方からの質問:インターナショナルスクールについて教えてください
垣屋さんはインターナショナルスクールの諮問委員会のメンバーであり、お子さんもインターナショナルスクールに通われていますが、インターナショナルスクールを選んだ理由やよかった点、日本語教育をどう考えているのかなどが知りたいです。
日本からGoogleやAppleが生まれないのはなぜ?
ご質問ありがとうございます。
インターナショナルスクールにも色々ありまして、我が家はいまの学校に至るまでに、3つのインターナショナルスクールを経験しています。
共通しているのは日本語以外で教えているという点ですが、そのほかは国によってカリキュラムも違うので、授業も全然違います。
たとえば、長女はシンガポール系のプレスクールに通っていましたが、そこは中国語と英語のバイリンガル教育をしていました。
私の場合は英語教育のために子どもの学校にインターナショナルスクールを選んだというよりは、子どもの考え方を育む教育を望んでおり、方針があった学校がいま行っているインターナショナルスクールだったという感じです。
子どもの教育に関してはさまざまな指標があると思います。公立と私立どちらとか、携帯電話をいつから持たせるとか…。
そのなかで、私が結構重要視しているのが、考え方を養うこと。
やれと言われたことをしっかりできるのもひとつのスキルである一方で、「こういうのやりたい!」というアイデアを出して実現させるのもスキルです。
私は前者は得意ですが、後者は苦手で、自分の周りにいる偏差値の高い学校出身の人ってほとんどが前者かなと思います(あくまで自分の周りなので、そうでないケースもあると思いますが…)。
数字的な根拠があるわけではなく、あくまで経験から出した結論として、結局、やれと言われたことをしっかりできることで偏差値があがるので、日本ではそれが得意な人が偏差値が高く、偏差値の高い大学にも行けるということなのかなと思います。
そういう人は一流企業には入れるけれど、そこでも言われたことをやっているだけで、アイデアを出せない、人を巻き込んで実行することができない、みたいになる可能性はあると思います。
仕事においても言われたことをできない人もたくさんいるので、言われたことをできるだけでもいいとは思います。
ただ、いまの日本を見ていると、なんでアメリカのようにAppleやGoogleやFacebookなど世界で使われて、かつ新しいものを生み出す企業が生まれないんだろうと思うわけです(TOYOTAとか楽天とかSoftBankでさえも、海外でも絶対選ばれるブランドではないですからね)。
そしてその答えとして、言われたことをしっかりできるようにする教育の延長では、海外でも絶対選ばれるブランドが生まれにくいと考えました。
先生と生徒の主従関係では学べないもの
それで学校教育を考えると、日本では先生と生徒は主従関係があるじゃないですか。生徒は先生が言ったことに従うのが当然です。
私自身、学校教育の途中から欧米の学校システムに入って苦労しましたが、欧米では先生と積極的に対等に話せる人のほうが評価されるのです。
先生に「なるほどねー。そういう考え方があったか」と思わせたほうがよくて、先生に従う人はあまり気づいてもらえません。
しっかり従うのも大事だし、自分の意見を言うのもどちらも大事です。どちらも大事なのに、私は従うのが得意なので従うことは子どもに教えられるけれど、自分の意見を言うことは教えられません。
子どもには、より自分の考えを形にできる人になってほしいと思い、それが学べる教育環境にいてほしいと思いました。
そして、「自ら自由に発想できる教育を受けられる」と感じたのがいま通っているインターナショナルスクールだったので、それを選んだわけです。
日本にももちろんそういう学校はあると思いますが、一方で、日本の場合、「偏差値が高い学校がいい学校」というような考え方がすごくあり、あえて偏差値で測れない学校というのを、私の限られたネットワークのなかで探せないというのもありました。
そういう意味では、私は日本の学校のお受験は経験したことがないし、そこで強みは出せないと割り切ってインターナショナルスクールのなかでの選択に集中したというのもあります(ただ、インターナショナルスクールが親の国籍を問うというのを受験するまで知らず…結局日本国籍のせいで受験では苦労しました)。