こんにちは。韓国在住歴4年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
みなさん、以前お話しした「いま韓国で大注目されている2組のガールズグループ」の記事は読んでいただけましたか?
そこでガールズグループ「LE SSERAFIM(ル・セラフィム)」についてご紹介しました。
実はこのグループ、デビューするやいなやメンバーのキム・ガラムさんの過去のいじめ問題が話題になり、デビュー2週間後に彼女が心身の休養のため活動休止を発表しています。
日本ではこの騒動に対して「事務所の早い手段」「迅速な対応」と感じている人が多かったようですが、実際に韓国で見た人々の反応はちょっと違うように感じました。
そこできょうは、韓国と日本のいじめの対応の違いについてお話しします。
日本と韓国の「いじめ」の対応の違い
キムガ・ラムさんの活動休止はすぐに国営放送にも取り上げられたのですが、ここでは「デビュー前から校内暴力疑惑を受けていたが所属事務所は事実無根だと対応していた」「所属事務所はキム・ガラムさんも校内暴力の被害者だったと反論したが、校内暴力員会で強い処分を受けていたことがわかった」と報じています。
コメント欄を見てみると「(キムガラムさんの活動休止に対して)加害者が心の休養なんて…被害者はまだつらい思いをしているのに」「大手芸能事務所の校内暴力の対応はいつもこのパターン。被害者をうそつき呼ばわりして2次被害を与える。芸能事務所も処罰されるように法を変えなければいけない」など、いじめ加害者を擁護するコメントは見当たらず、事務所への対応に納得していない人が多く見られました。
最近はあまりにもいじめ事件が公になることが多く、韓国人の認識が少しずつ変わっていっているように感じます。
日本でももちろん、「いじめはダメ」「いじめた人が悪い」というのは当然ですが、実際にいじめに対しては黙秘したり、事務所が対応しないことで噂どまり…というのがまだあるかなと感じています。
韓国では芸能人のいじめ事件が発覚したら、多くの場合が噂だけではとどまらず、事務所や本人に対応を求めます。
ひと昔前ならただ無視できたようなことでも、最近はインターネットの普及や人々の関心の高さのために無視できないようになっています。このせいで実はいじめをしていないのに、ただのうわさのせいでダメージを受けた芸能人も少なからずいるのも事実です。
実際、女性アイドルグループ「今月の少女」のチュウさんもいじめをしていないにも関わらず、虚偽投稿の被害に遭いました。
事が大きくなった後、投稿者が謝罪文を投稿し、いじめ事件が虚偽であることが判明。事務所は「名誉棄損で起訴する」と明らかにしました。
しかし、このように「実は嘘だった」となるのはほんの一部で、多くは本人と事務所が否定しても疑惑だけ残るという、ダメージだけ残る事態になってしまいます。
このように韓国では、いじめ問題に対する厳格な対応が常に求められ続けています。
現在活動中の超有名アーティストで、昔からいまでもずっといじめ疑惑があるのに否定を続けている人もいます。韓国内のいじめ事件に関する動きをみていると、これからは何かしら対応に追われるかもしれません。
韓国では、このようにいじめ事件にだけではなく、飲酒運転、浮気、薬の使用、犯罪関与などにもかなり厳しく対応します。大抵の芸能人が事件を起こして、また復活することはほぼありません。
日本ではテレビ番組でいじめ加害者であったことを気にせず話す芸能人がいたり、また炎上はすれど業界から姿を消した人はあまりいないように感じます。韓国のほうが、過去のいじめ事件への対応がかなり厳しいように見えますね。
韓国国内のいじめ事件への対応については今後も紹介していく予定です。みなさんもこの機会に、ぜひ身近ないじめ問題に関心を持っていただければ嬉しいです。
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