みなさんこんにちは。韓国に暮らして14年、私は現在ソウルで留学生対象にシェアハウスを運営しています。
今回は、コロナ禍で変化した韓国での留学生の住まい事情についてお話します。
かつて学生・留学生の滞在先は「下宿」中心だった
大人気韓国ドラマ『応答せよ1994』をご覧になったことがあるかたならご存じかもしれません。
かつて韓国の学生街には必ず「下宿」が多数存在しており、地方から出てきた大学生はこの「下宿」に住みながら大学生活を過ごしました。
下宿には「アジュンマ」と呼ばれる寮母さんとその家族が住んでおり、食事や洗濯、掃除まで、まるで親戚のおじさんおばさんのように世話をしてくれたものです。
私自身もう15年ほど前になりますが、約1年間下宿にお世話になりました。1人部屋が与えられ、日曜日以外は朝夕の食事が提供されました。
大家さんご夫婦とも仲良くなり、1年に1度大量のキムチを漬ける「キムジャン」にも招待されたこともありましたよ。
コロナ禍によって下宿が激減
しかし残念ながらここ数年、 韓国の学生・留学生の代表的な滞在先であった「下宿」の数が減少しています。主な原因は下宿を営んでいる大家さんたちの高齢化や、建物の老朽化によるものです。
さらに2020年から始まったコロナ禍によって「食事や生活を共にする」という下宿特有の文化は敬遠されるようになってしまい、下宿への入居希望者が激減。下宿には空き部屋が増え、長年運営していた下宿が次々と姿を消していきました。
下宿からシェアハウスへ
下宿が減少した半面、いま韓国で急激に数を増やしているのが「シェアハウス」です。
「シェアハウス」とはその名の通り家をシェアすることです。下宿のように「食事」の提供もありませんし、世話をしてくれる寮母さんもいません。
マンションのような3LDK、4LDKをシェアハウスとして貸し出したり、一軒屋全体がシェアハウスという規模の大きい物件もあります。
特に最近は、コロナ禍で営業を終えた下宿をリフォームし、シェアハウスとして部屋を貸し出す業者も増えています。
- シェアハウスのメリット
- 保証金が少ない
- 短期でも入居できる
- さまざまな国の学生と交流ができる
- 家具など揃える必要がなく便利
シェアハウスは、多額の保証金や長期契約でなくても入居が可能なため、韓国の若者や海外からの留学生に人気の滞在先となっています。
現地の韓国人や外国人留学生の友人も作りやすく、また、誰かと一緒に暮らしているという安心感があります。
トイレ、シャワー、キッチン、洗濯機などは、同じシェアハウスに住んでいる住人と共用です。生活に必要な家具やインターネット、共用部分の家電などは準備されているため、韓国到着後すぐに生活ができて非常に便利です。
- シェアハウスのデメリット
- ルームシェアの場合、相手を選べない
- キッチン、トイレ、シャワー、洗濯機などは他人と共用
- シェアハウスの規則がある(一人暮らしのように自由ではない)
韓国は近年不動産価格の高騰が著しく、賃貸物件の家賃も日本と比べて決して安くはありません。
1人部屋だけではなく、ひと部屋を2人以上で使用する「ルームシェア」もあります。「ルームシェア」の場合、ルームメイトは自分では選べません。ルームメイトと性格が合わないと居心地の悪い住居空間になってしまいますので要注意です。
また、 部屋以外は他人と共同生活空間です。共用部分の片づけをしなかったり、夜遅くにうるさい人がいたりするかもしれませんが、ある程度は我慢しなければなりません。
また、シェアハウス内の規則もあります。特に「友人の招待」や「宿泊」は不可の場合も多いです。