アルバイトにも「職業倫理」がある
突然ですが、みなさんは「職業倫理」という言葉を知っていますか?恥ずかしながら、筆者は最近新聞で知りました。
「職業倫理」とは、簡単に言えば職業に要請される倫理、または職業人に求められる倫理のこと。韓国では、最近この職業倫理が落ちていると感じる人が多いようです。
たとえば学校の先生が、生徒が授業中に授業妨害をしても注意しなかったり、タクシー運転手がお客さんを優先せずに自分のことをしたり、配達員のマナーが悪かったり…。
ニュースを見る限り日本でも似たようなことがあるので、なんとも言えませんが、筆者が言いたいのは「日本ではアルバイトにも職業倫理がある!」ということです。
韓国に行ったことがある人ならご存じだと思いますが、韓国のアルバイトは日本のアルバイトとは違います。韓国では、自分の仕事だけする印象です。
仕事がないときには携帯を触っていたり、お客さんに挨拶をしない人も多いです。最低限の仕事はしてくれるので文句は言えませんが、こんな様子を見る限り、日本ってすごかったんだなと感じます。
以前、まったく同じ話を生徒としたことがありました。そのとき、筆者は「日本に比べて韓国のほうがもらえるバイト代が低いのだから当然といえば当然」と考えていたのですが、それに対し、生徒がおもしろい話をしてくれました。
ここ最近、韓国の物価高に合わせて、最低賃金も引き上げされました。
2022年10月で韓国の最低賃金は9160ウォン(日本円で大体922円ほど)。さらに来年の2023年からはさらに引き上げて9620ウォン(日本円で969円ほど)になると韓国政府が発表しました。(参考:ニッセイ基礎研究所)
参考までに、日本では全国平均最低賃金が961円です。韓国の最低賃金より安い地域はいくつもあります。(参考:厚生労働省)
このことから、生徒は「お金は関係ない。やっぱり職業倫理の問題」と思っていると話してくれました。
筆者は日本でアルバイトをしたときに、お客さん第一でアルバイトの人権が保障されていないと感じたことがありました。日本のアルバイトに対してあまりよくない印象があったのですが、こうやってみるといい部分が多いですね。
個人的には日本と韓国をミックスすれば、アルバイトにとっても、お客さんにとってもいい環境になるんじゃないかと思っています。
今回は、在韓日本人が思う「日本のすごいところ」についてあげてみました。
日本にいたときは当たり前すぎて気づかなかったことも、外国に住んでから「ああ、あれはすごいことだったんだ」と感じることが多いです。
コロナ禍で日本に帰れなかった分、日本では逆カルチャーショックを感じるんじゃないかとふたたび帰国するのが楽しみです。
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