うれしかった友人たちの反応
「夫が浮気しており、相手の女性が私について『愛情はないのに離婚してくれない嫌な人』と周りに話しているのを聞いて腹が立ちました。
こんな現実は到底許容できないと思い、夫に離婚と慰謝料の支払いを求めたものの拒否したため、同居のまま離婚調停を申し立てました。
夫は浮気相手の女性と『体の関係はない』と言い張っており、また不倫の確実な証拠がなかったため慰謝料の請求は難しいかも、と調停委員のふたりから言われたときは、ものすごくがっかりしましたね…。
同じ屋根の下で夫と過ごす時間は苦痛でしかなく、私と離婚すればあの女性と付き合うのかと想像したら、本当に苦しくてたまりませんでした。
こんな状態の自分が恥ずかしくて仲のいい友人たちには調停のことなど黙っていたのですが、ストレスに耐えきれなくて親友に事情を打ち明けたんです。
そしたら、『最低だね』『大丈夫?』と親友はすごく心配してくれて、『つらかったらうちにおいでよ。私ひとりだから気楽だよ』とLINEで送ってくれたときは涙が出ました。
以前、同じ会社に勤める女性が同じように離婚調停を起こして噂になったことがあり、家庭裁判所でのことだし事情をよく知らない人たちがネガティブなことを言っていたのを思い出すと、自分もこうなったら嫌だとどこかで思っていました。
でも、私の話を聞いた友人たちは『不倫の証拠になるものはないか』『相手の女性に証言させることはできないか』などすごく親身になってくれて、うれしかったです。
『ひとりで調停を起こすなんてすごいよ、負けなかったんだね』と親友が言ってくれて、励まされました。
結局浮気の慰謝料は諦めることになりましたが、浮気相手の女性が私について暴言を吐いていたことについては、教えてくれた人のLINEがあり夫も認めるしかなく、慰謝料の代わりじゃないけれど財産分与で私のほうが多めに貯金をもらうと決まりました。
『ごめん、言い方は悪いけどそんなクズみたいな男と離婚できて幸せだよ』『調停で負けたんじゃない、そのふたりは浮気がバレて財産多めに払って離婚してもらった事実を背負ってこれからも生きていくんだから』とみんなが言ってくれて、本当に心が軽くなりましたね…。
子どもがいなかったのが幸いして争う点が浮気の慰謝料と財産分与になり、離婚が成立するまで半年かかりましたがこれでも早いほうだと思います。
調停って本当に緊張するし月に一度休みを取らないといけないので大変でしたが、友人たちの予想外の支えが本当にうれしく、ありがたかったです」(女性/39歳/営業)
筆者も調停について「訴えられた」「悪いことをした」と捉える人が多いのは耳にします。
調停は争点を整理して双方が歩み寄る場ですが、当事者でなければ細かい事情まではなかなか理解できないのが現実で、ネガティブに受け取る人もいるのですね。
配偶者に浮気されて調停を申し立てた側であっても、そんな自分が世間でどう見られるか、不安になるのは仕方ないといえます。
それでも、事情を聞いてそれが真実とわかれば、時間がかかりつらい思いをする当人を応援する人もまた、出てきます。
不幸な夫婦生活より、離婚できて幸せ。そう言ってもらえることが、前を向く大きな力になりますよね。
月に一度しか開かれない調停は進みが遅いケースが多く、その間のメンタルをどう維持していくかも当事者になれば大きな問題です。
そんなとき、支えてくれる人が身近にいるのは幸運であり、頼りにするのは決して間違いではありません。離婚は人生の一大事だからこそ、悔いなく進めるための環境は重要といえます。
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