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キャリアファーストの私が結婚した理由。「結婚=キャリアの邪魔」は本当なのか?

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26歳の筆者は、現在絶賛マリッジブルーだ。

8月末ごろに結納が終わり、あとは引越しをして籍を入れるだけ…というタイミングで訪れた噂に聞くマリッジブルーは、嵐のように心をかき乱し、「本当にこれでいいのだろうか」と自問自答を繰り返す時間が増えたのだった。

私のマリッジブルーというのは本当に勝手なもので、婚約者に大きな非はなく、むしろ私への愛情と信頼が日々増しているように思えるのに、なぜか気持ちが晴れ晴れとせず、早くに結婚した友人に愚痴っては「そんな時期私もあったよ」という言葉を聞いて安心している。

以前も触れたが、26歳での結婚は自分自身でも予想外であり、結婚報告を受けた人たちは口をそろえて「朝日は晩婚だと思っていた」と言った。

その理由としていちばんにあげられるのは、私の“キャリアファースト”である生き方だった。自他ともに認めるこの特徴から、まだ世間一般的に考えられている「結婚=仕事の邪魔」という思考を持つと思われていた。

そんな私が26歳での結婚を決め、そしてなぜ現在マリッジブルーなのか。その理由は、選ばなかったもうひとつの人生に思いを馳せてしまうからだ。

きっと女性にとっての結婚は、男性の想像以上に自分の人生を大きく変える出来事である。

結婚というきかっけにより、愛するパートナーとの子育てを検討することは多いだろう。男性育児休暇の周知・意向確認が義務化されたとはいえ、まだまだ「育児休暇といえば女性」が一般的な認識。

一時的なキャリアストップだけならばいいが、出産や育児により体調が戻らなければ、退職も考慮しなければならない。

つまりは結婚することにより、積み重ねていた、望んでいたキャリアが大きく変わる可能性がある。

ハタチそこそこの自分が仕事一筋で生きようと決め人生設計しても、愛する人との出会いでその一大決心を揺るがし、まったく想像していなかった人生を送ることもあるだろう。

結婚しようと決めたときは、「この人生最高!」となってもいざ分かれ道の前で選んだ方向に一歩踏み出そうとした瞬間おかしな気持ちが襲ってくる、それがマリッジブルーのひとつなのかもしれない。

私にとっての選ばなかったもうひとつの人生は、まさに結婚しない人生だった。もともと結婚願望が強いわけではなかったため、ほかに恋愛をしても結婚したいと思ったことはなかったのだ。

また、彼と本格的に付き合うまではいずれ友人のいるベトナムでライターの仕事をして暮らそうと思っていたし、そもそも誰かと一緒に暮らすことなんて私の性格上無理だと思っていた。

結婚しなかったら、いまごろはどんな生活をしていただろう、どんな案件をやっていただろう、そしてどんな人と恋愛をしていただろう。

なによりも、結婚は他者と生活をともにすることであり、いままで通り仕事をするわけにはいかないため、キャリアアップをスムーズに行うことはできないと遠い昔の私は思っていた。

「家事」と一言で言ってしまうのは簡単だが、トイレットペーパーがなくなる速度は倍になるし、朝昼晩の食事も適当に買っていたらお金が無駄になる。

洗濯物の量は増えて、布団カバーを変えるタイミングも増える。家事をするだけでもヘトヘトなのに、子どもができたとしたら。そのうえ仕事なんて…できるか!とずっと思っていた。

そんな私の人生に「結婚」という選択が組み込まれるようになったのは、ある友人との出会いがきっかけだったのかもしれない。

32歳の友達。彼女に見る結婚後のキャリア

image by:Unsplash

出会ったのは2年前。私は24歳で彼女は32歳だった。ベトナムで仕事をしようという計画の第一段階として、海外に飛べる福利厚生のついた空港職員の仕事をし始めたころだった。

彼女もその同僚のひとりで、本業は美容師。1歳になる息子がいた。研修初日に意気投合した私たちは、まだ日が出ている時間の研修おわり、新橋の居酒屋さん飲むことにした。

「子ども大丈夫なんですか?」まだ敬語で少し気を遣っていた年下の私に、「大丈夫大丈夫!きょうは夫が見てるし、このあとお客さんと飲みにいく予定あるから」と颯爽と新橋の高架下の居酒屋へ入っていった。

童顔で可愛らしい容姿で私と同い年に見られそうなのに声はハスキーでフランク。はじめて出会ったタイプの女性だった。

ふたりで適当なつまみを食べな生ビールを飲み、空港の話や仕事の話をし、お互いのプライベートな話に…。偶然にも、私が当時まだ結婚を意識せずに付き合っていたいまの夫と彼女が同学年ということもあって恋愛の相談もした。

聞くと、20代は美容師のアシスタントとしてだけでなく、撮影などのヘアメイクをしたいという夢を持ち、寝る暇もなく働いたが身体を壊してしまい、路面店のサロンで働いていたときに同じ美容師であるいまの夫と出会い結婚。子どもが生まれ、働き方を変えるために早朝から出勤のある空港職員に応募したのだという。

その話を聞いた24歳の私は、「自分の思っていた人生を諦めて、結婚を選んだ」と思った。けれど、彼女の姿はイキイキとしていて私の憧れる“バリキャリ女子”とはまた少し違う種類のかっこよさを感じた。

結婚という枠にとらわれず、息抜きの時間もしっかり取り、これから始まる空港職員の仕事にも「結婚で諦めたキャリアの第二の選択」なんていうことは微塵も感じさせず、人生を楽しんでいるように見えた。その彼女の第一印象が私の結婚のイメージを変えるきっかけになった。

その日の直後、世界的に新型コロナウイルスが流行。空港職員の仕事は開始1カ月で休業となった。

その間も家が近かった私たちは連絡を取り合い、お互いの家へ遊びに行ったり外で飲んだりと交流を深めていた。

彼女と瓜二つの子どもは毎回会うごとに話せる言葉が増え、おもちゃが変わり、プレゼントする洋服のサイズがどんどん大きくなった。

彼女との交流は彼女の子どもとの交流でもあり、まるで叔母さんのように可愛がった。彼女の夫も距離はありながらも少しずつ話すようになっていた。

そんな家族の姿や休業中美容師の仕事に復帰した彼女の姿を見て「結婚=仕事の邪魔」というイメージは少しも感じず、むしろそんな彼女に憧れていた。

また私のいまの夫との関係について、友人たちには「やめたほうがいい」「早く別れなよ」と言われ続けていたのだが、彼女だけは「そのまま付き合ったほうがいい」と言い続けていた。「お互いに居心地がいい、の先にあるのは惰性だけじゃない」と話していたのだ。

そんななか、コロナ禍は収まることを知らず、いつベトナムへ行けるかわからない状況で、私自身このままでは何も進まないという思いや身体面の変化から、リンパセラピストの資格を勉強し取得。サロンで働くようになった。

そのころにはコロナ禍という先の見えない環境やコロナ禍で改めて価値を持つようになった仕事以外の生活の充実さ、そして結婚という選択のよさを知るようになっていた。

たしかに、結婚や出産をすることで生まれる負担は計り知れないし、ハタチのころに持っていた人生における最大の喜びとは異なるかもしれない。けれど彼女と触れ合って感じたのは「ハタチのころとは違う仕事への価値観を認めて素直にそれを実行している」ということだった。

どうしても、結婚をしてキャリアを変えることはマイナスに捉えられがちだ。けれどそれはハタチのころの自分という角度からみてマイナスなだけであり、価値観はアップデートされる。

アップデートされた30歳の自分という角度からみるのであれば、はじめから決めていた仕事でのキャリアアップが人生の成功であるとは限らないのではないだろうか。

キャリアアップは、仕事を始めたときに考えた理想と夢を成し遂げるということだけじゃない。人生のステージごとに変化する自分のキャリアアップの価値観を成し遂げていくことなのだ。

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朝日美陽

日本大学芸術学部演劇学科演技コース卒業。芸能活動後、セラピストへ転身。登遥 Toyoh spa salon代表(Instagram:@toyohofficial)。女性の働き方・キャリア・LGBTQなどをテーマにフリーライターとして活動中。

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理工大学で4年生をカットし、飛び級で理工大学院に入学。物事をロジカルに考えるのが得意。かつて敏感肌だったことから、化粧品成分に興味をもつ。また、実験が好きで、化粧品の効果を独自に実験し、検証。

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Honoka Yamasaki

ライター、ダンサー、purple millennium運営。
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垣屋美智子

日本生まれ香港育ち。香港で高校を卒業したのち、単身渡米、University of California, Berkeley卒業。主な著書:「使えば増える! お金の法則 ―ワクワクしながら資産づくり」(時事通信社)。主な連載:「使えば増える! お金の法則 ―ワクワクしながら資産づくり」(cakes, 2018年~)

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朝日美陽

日本大学芸術学部演劇学科演技コース卒業。芸能活動後、セラピストへ転身。登遥 Toyoh spa salon代表(Instagram:@toyohofficial)。女性の働き方・キャリア・LGBTQなどをテーマにフリーライターとして活動中。

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精神科医・心理研究家。あらゆるジャンルの心理学を極めた、セクシーな精神科医たち。あやつる心理学のスキルは1000を超える。「ゾクゾクしなければ人生じゃない!」がモットー。趣味は瞑想と妄想。特技はスノーボード。

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久野浩司

マリッジ・ライフデザインコーチ/オールアバウト恋愛ガイド

カナダ・バンクーバー在住。音楽プロデューサー、留学関連などパラレルワーク実践中。anan、ELLE、BAILAなど女性誌でもコメンテーターとして活躍。

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伊藤 翠

18歳から30歳までの12年間、ホステスとして18,000人以上の男性を接客。移るお店移るお店でNO.1になり、25歳から30歳まで働いたクラブでは小ママとして勤務。ホステスを辞めた後、男性心理と女性心理の違いや基礎心理学などを学び、大好きな彼から1番に選ばれて、その後もずっと愛され続ける女性になるためのHOW TOをメルマガで無料配信しています。

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