20歳年上の夫とマイペース高1息子と暮らすアラフィフ主婦ライター、塩辛いか乃です。
「離婚後の共同親権導入」が物議を醸しています。
施行自体は2026年からとのことですが、すでに多くの意見が飛び交っており、ネット上では圧倒的に反対派の意見が多く見られます。
大きな理由は「共同親権の導入で、離婚してもDVから逃れられなくなる」といった意見。
きょうはこのことについて、わたしもいろいろと調べながらみなさんと考えていけたらよいなと思います。
DVが原因で離婚した場合はどうなるの?
まず、反対意見の主な理由として挙げられる「DV家庭がとても困る」という意見から見ていきましょう。
たとえば夫のDVが原因で離婚後、共同親権を持ってしまった場合。
せっかく離婚したのに子どもは定期的に面会する可能性があり、DVの恐怖から逃れられないというデメリット。これはたしかに深刻なことだなと思います。
わたしはSNSでもDVやモラハラに遭っている方のアカウントをフォローしていて「あるある」を読みますが、それを見ているとDVをする男性は傾向がとても似ています。
とにかくこのタイプは執着心がとんでもなく、しつこい。圧倒的弱者を支配下に置くことで安心感を得るタイプのようで、力の弱い女性やこどもにそのターゲットが向いてしまいがちのようです。
そして、困ったことにこの人たちに共通しているのは、「外面がよい」こと。
外では家庭的に見えるのに、家に帰ると…というタイプが結構な割合でいるようで、こうしたタイプは裁判でちゃっかり共同親権を獲得してしまえたりするのでしょう。
外でもオラオラやってる人が、家に帰ってこっそり弱いものいじめをするのは考えにくく、心の闇を吐き出す形としてDVになってしまっているのでしょうから、構造としては割とわかりやすいのかなと思います。
たしかにこのタイプのDV夫から逃れるための離婚で、うまいこと共同親権をゲットされ、離婚以降も面会するとなるとたまりませんよね…。
ただ、一応決まりとしては、共同親権と単独親権を選べることになっており、DVが原因の場合は裁判所の判断で単独親権になるとあります。(参考:朝日新聞デジタル)
なので、ここは単独親権を勝ち取れるように準備する必要が出てしまうということなのでしょう。
共同親権の前に、DVについてもっと検討すべき
親権というのは法律上のことで、理屈の通じる相手にはこの法律の適用がうまくいくかもしれませんが、そもそも法律なんか無視で行動する人の場合は、もはや「共同親権も何も」ということにもなりかねず、それは今回の法改正関係なく依然として残り続ける問題かなと思います。
たとえば、わたしの小学校時代の友人。お父さまが反社系の組織に入ってしまい、家で暴れることが多かったようです。
その後、両親がほどなくして離婚されました。当然、当時のことですから親権はお母さま側にあったでしょう。
母子家庭で2人暮らしでしたが、離婚後も頻繁にお金を無心しに家を訪れるようになったそうです。
それを断ると、ついにはガラスを割って家に無断で入り、お金をもっていかれたこともあるとか…。
ここにはいられないと住民票を移さず、周りにも口止めをして引っ越しをしましたが、それでもなぜか見つけるのだそう。
さらに結婚した友人夫婦の家にも押しかけたことがあるらしく、こうなってくるともはや「共同親権」なんて関係なくなってしまいますよね。
なので「共同親権」そのものの議論も必要ですが、それ以前のDVについても引き続き検討していく必要があるのかなと思います。
個人の事情により変わる?
共同親権導入に賛成派の意見があまり表に出てきませんが、メリットも当然あるのでしょうし、だからこそ政府が改正したのでしょうから、共同親権導入のメリットについても目を向けてみようと思います。
まず、夫婦離婚の際に激しい親権争いが起こるのは「どちらか一方しか親権が取れないから」というのが理由だった場合、このパターンで共同親権を導入できればかなりのトラブルが減るのではないかと思います。
離婚の原因はDVばかりではなく、お互いの価値観の不一致や金銭的トラブルなど、さまざまな原因があります。
そして話し合いで離婚をするときに単独親権しかないと「母と父、どっちにつくか?」みたいな決断を子どもに迫る必要性が出てきたり、親権をどっちが握るかについて両家を巻き込んで大バトルになったという話も耳にしますよね。
もちろん離婚する以上養育はどちらかが主体でやることになりますが、両親どちらにも親権が持てるということで、いままで起こっていた争いが大きく減ることも想像できます。
子どもにとっても、離れて住んでいても会える機会がきちんと担保されるなら、それはきっと安心材料になることも多いはずです。
「後継ぎとしての子どもは絶対に手放さない」なんていう、家父長制の家もあるでしょう。そこでもし離婚したいとなると、子どもを置いていく覚悟をすることになってしまいます。
夫婦生活は続けられないけれど、子どもは置いていけない。そんな葛藤を抱えている人も多いのではないでしょうか。
もちろんこれも共同親権が導入されたからと言ってすべて解決するわけではなく、共同親権だとしても「子どもに会わせない」なんてことはあるでしょうから、これもやはり「共同親権」という法律だけでは解決できない問題なのかなと思います。
細かく言えばもっとさまざまなメリットデメリットがあるのでしょうが、大きなメリットとデメリットを見ると、もちろん法律による影響も大きいですが、法律で決まったとてそれが遵守されるかどうかも個人の事情により変わってきそうだなと思ってしまいます。