一方的な考え方に…(女性/37歳/営業)
「元夫との調停は、一度不成立になり二度目の調停でやっと離婚が成立しました。
一度目の調停では、50代後半くらいの男性とそれより少し若いくらいの女性が調停委員として入ってくれて、私と元夫の主張を交代に聞いてくれていたのですが、ドン引きしたのが男性の調停委員です。
元夫とは仮面夫婦状態で、私は性格の不一致を離婚したい理由に挙げていましたが、元夫は私に『浪費癖があり、俺の稼ぎを使い込んでいた』と勝手なことを言い出し、『無駄使いしたぶんを返せ』と迫ってきました。
私は夫との仲が冷めてからは家計簿をつけることはやめていましたが、生活費についてはそれまで通りで元夫の口座から勝手にお金を引き出すようなことはなく、まったくの言いがかりです。
『無駄使いの証拠と具体的な額を言うべき』と伝えても、夫は『自分でわかるはず』の一点張りで、要は私にお金を払わせたいのだなと思いましたね。
そんな元夫の様子にため息をついていたら、男性の調停委員が『本当に心当たりはないのですか?レシートなどを残していないのは後ろめたい買い物をしていたからではないのですか?』と口にしてびっくり。
さらに『仮面夫婦状態ならあなたが何を買おうと夫にはわからない』と続き、『あなたも無駄使いをしていない証明はできないでしょう』と言われたときは、『この人は自分の考え方が正しいと思いこんでいるのだな』と感じました。
女性の調停委員が、『無駄使いの証明は相手方がすることですよね』と牽制してくれて助かりましたが、すっかりやる気がなくなった私は『これ以上話しても無駄だから』と不成立にすることを申し出ました。
それから担当の裁判官とも話しましたが、元夫の主張は変わらず男性の調停委員は私に疑いの目を向けることをやめず、本当に悲しかったですね。
不成立になってから弁護士に相談して改めて調停を申し立て、今度はまともな調停委員で元夫の主張のおかしさを説いてくれて、何とか離婚が成立しました。
こっちはただでさえ大変な離婚でストレスを抱えているのに、調停委員にまであんなことを言われたら、本当にやるせない気持ちになります」(女性/37歳/営業)
家庭裁判所が選ぶ調停委員は社会経験などが豊富な人とされていますが、どんな考え方や価値観を持っているか、調停ではその人個人の姿勢が表に出ます。
無駄遣いの弁済にこだわる元夫に同調して、こちらが悪いのではと一方的な言葉を吐く調停委員では、疑う気持ちを払拭させるのは難しいのではと感じますよね。
時間をかけてもストレスが募るだけの調停なら、申し立てた側として取り下げを考えるのも一つの手。調停委員はこちらでは選べないだけに、こんなつまずきがあるとスムーズな進行は望めないといえます。