配偶者と離婚したいけれど、条件などで折り合いがつかず話し合いが進まないと困りますよね。
そんなときに利用できるのが離婚調停で、誰でも家庭裁判所に申し立てを行えます。
離婚調停の大きな特徴が、第三者である「調停委員」が男女ひとりずつ必ず同席すること。
客観的に事態を見てもらえ、双方が納得できるよう助言をくれるので心強い存在ですが、一方で調停委員個人が持つ価値観に振り回されることも…。
今回は、離婚調停で重要な役割を持つ「調停委員」にはどんな人がいるのか、ご紹介します。
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忘れられない言葉(女性/44歳/個人事業主)
「夫の浮気を知り、問い詰めたけれどいっさい反省する様子がないことで愛情が冷め、離婚を決めました。
元夫は大反対でしたが、以前からモラハラ(モラルハラスメント)もひどかったため『この人が原因で離婚できるのはいましかない』と腹をくくって別居し、すぐに離婚調停を申し立てました。
私は個人事業主で在宅で仕事をしていますが、自分と同等に稼ぐことも気に入らなかった元夫は、調停で『妻はたいした仕事はしていないのにえらそうだった』『モラハラを受けていたのは俺のほう』と自分の浮気についてはまったく触れず、ひたすら同居に戻ることを要求しました。
どちらも50代くらいの調停委員のふたりは、私の離婚の意思が固いことを確認したものの元夫の態度から『慰謝料の類を払わせるのは難しいかもしれませんね』と厳しい顔で、『そんなものはいらないからとにかく離婚を承諾してほしい』と繰り返し伝えました。
元夫の『たいした仕事はしていない』は別居前からずっと言われていたことで、仕事をしながらすべての家事をこなしてきたことを、元夫は調停でも当たり前だと言い放ったそうです。
悔しいけれどそんなものだと思っていたら、男性の調停委員が『あなたはひとりでこれだけの収入を得るほどがんばってきたのですね。すごいと思います』と確定申告の書類を見ながらしっかりした声で言ってくれました。
初めて人からそんなことを言われて、涙が出ました。
怒りがあっても悲しくなっても泣くことはなかったのに、こんなところで自分の努力を認めてもらえるなんて思いもしなかったので、本当にうれしかったです。
改めて自分は間違っていないのだと勇気をもらい、慰謝料はなく平等に財産分与することを提案、元夫も自分の浮気の責任を取らなくて済むと思ったのかやっと納得しました。
あんな人間に関わっているより早く新しい人生を歩みたく、私のがんばりを言葉にしてくれた調停委員の人にはいまでも感謝しています」(女性/44歳/個人事業主)
一番身近な配偶者に自分の価値を貶められていれば、いつしかそれに慣れてしまい自分の努力の意味を忘れてしまいます。
それを思い出させてくれる調停委員の言葉は、がんばりを裏付けるものがあるからこそ。
双方の状態を対等に見ようとする調停委員の場合、相手の主張を真に受けるのではなく客観的な視点でこちらを受け止めてくれるのがありがたいですね。