配偶者と離婚したいけれど、同意や条件で揉めてしまい話が進まないときに利用できるのが離婚調停です。
家庭裁判所に申し立てることで誰でも利用できる制度ですが、配偶者と顔を合わさずに自分の主張を述べられる、第三者である調停委員に条件などを調整してもらえるのが大きなメリット。
一方で、どうしても相手が歩み寄ってくれない場合は「不成立」となり、離婚が成立しないまま調停は終わってしまいます。
完全に結果を手にできるわけではない離婚調停ですが、実際に不成立となった人のその後についてご紹介します。
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調停での不義理を見たからこそ
「夫の浮気が原因で離婚を決め、子どもを連れて別居後に離婚調停を申し立てました。
調停では、夫は自分の浮気について認めたものの、法的に完全な不貞行為と判断できる証拠がなかったため慰謝料の支払いを拒み、財産分与でも対等に分けるどころか『勝手に離婚を決めて出ていった』と私を責め、そのぶんの慰謝料を請求してきました。
調停委員のお二人は丁寧に私の話に耳を傾けてくれて、結婚を続ける気がなく同居に戻るのは絶対に無理なことを確認、夫にも慰謝料を求めるのはおかしいことを説いてくれていたと思います。
調停はなかなか進まず、財産分与で自分が得をするよう決めることを求める夫に手を焼いていたら、担当の裁判官から『離婚については二人とも争いがないので、先に離婚を決めて財産分与の話はその後にしませんか』と提案がありました。
私はそれでいいと答えたけれど夫は離婚と財産分与を同時に決めることにこだわり、『離婚したければさっさと金を払え』と調停委員のかたに言ったそうです。
それを聞いてもうダメだと思い、訴訟の準備を始めました。
法テラスの無料相談で出会った女性の弁護士のかたが真摯に話を聞いてくださり、調停の状況を知って訴訟に進んだときは代理人をお願いすることになりました。
調停はそのまま不成立となり、私はすぐに弁護士に代理人を依頼、一月後には離婚裁判がスタート。
夫のほうも弁護士が代理人となったためか、裁判では調停のときのようなおかしな要求はなく、おそらく弁護士が夫を説得したのだろうなと思います。
調停で、私だけでなく調停委員のかたや裁判官まで馬鹿にしたような発言をする夫を見ていたので、裁判でも同じく問題を起こすのではと心配していましたが、さすがに裁判となると無茶ができないことを実感したようです。
おかげで財産分与や養育費の取り決めもスムーズに進み、調停のときに私が主張していた額で決まり、離婚が成立しました。
調停で夫は不義理な人間なのだと実感したからこそ、すぐ訴訟を視野に入れて動いたのがよかったと思います。
時間はかかったけれど、夫の嫌がらせに負けず望む結果を手に入れることができたので満足ですね」(女性/44歳/自営業)
裁判所で開かれる離婚調停は、裁判と違い話し合いと歩み寄りで離婚を決めていく場です。
それを逆手に取る人は少なからずいて、離婚したい配偶者の足元を見るような無茶な要求を平気で押しつけます。
婚姻費用や養育費は法律で決まっているため支払いを免れませんが、そのほかの取り決めでは調停委員や裁判官に強制力はなく、あくまでも双方の合意のもとで成立するのが離婚です。
相手の条件がのめないときは不成立を避けられないですが、その後は離婚訴訟を起こすのも一つの手段。
離婚訴訟は調停で不成立になった後でないと起こせないので、調停中であっても弁護士への相談など進めておくと先が見えてきます。
配偶者が自分の都合を通したがっても、厳密に法律が支配する裁判では通用しません。
諦めずに次の手を打ったことが、幸せな未来への一歩といえますね。