好きな相手が同じ会社にいると、距離の近さからアプローチがしやすい反面、視野が狭くなると一方的な関わり方をして相手を窮屈にさせることもあります。
すぐそばにいるからこそ気をつけたいのが距離感で、社内恋愛ではほかの人の目を意識することも忘れてはいけません。
相手を悩ませずに信頼関係を築くには、自分の言動を客観的に見る力が必須。アプローチを間違えて振られてしまったケースにはどんなものがあるのか、ご紹介します。
こんな「やり過ぎ」も敬遠される
「転職で入社してきた年下の男性を好きになりました。
スキルがあるのに謙虚で丁寧、わからないことは素直に尋ねてくれるので安心して仕事を任せられ、部署でもすぐ人気が出た彼。
いいなと思っていたら別の部署の女性社員が彼を狙っていると聞き、何とか私に関心を向けてもらいたいと必死でしたね。
同じ部署であることを利用して、彼の業務のチェックや必要な書類の用意、進捗の報告まで手伝っていました。
『そこまでしてもらわなくても』と彼はいつも恐縮していて、『間違えたらみんなが大変だから』と言い訳しながら毎日声をかけていたら、あるとき上司から『自分の仕事もしろ』とミスを指摘されて。
気まずい思いで気がついたのは、同じ部署の人たちから明らかに『やり過ぎ』の目で見られていたことです。
自分の業務を中途半端にして彼の仕事に口を出していれば、そうなりますよね……。
あえて正面から言われないことが逆に恥ずかしくて、陰で笑われていたのだと思います。
入社したばかりの彼は相当プレッシャーだったはずで、周りの目も考えず先輩風を吹かせていた自分を反省しました。
それからは彼にはなるべく近づかないようにしましたが、一度注目されるとなかなか周りは忘れてくれなくて、たまに『彼の確認はいいの?』とか言われるのがつらかったです。
おかしなことをしていると結局自分が大変な思いをするのだな、といまでも後悔しています」(女性/30歳/営業)
自分の存在をアピールしたいからと好きな人の仕事を手伝うのはよくあることですが、自分の業務を適当にしておいてそればかりになると、当然周囲はいい印象を受けません。
特定の人にいい顔をしたいだけと思われたら、信頼もなくなるし好奇の目を向けられても仕方のないことです。
気をつけたいのは相手の男性にも同じく気まずい思いをさせることで、いわゆる「ありがた迷惑」になると距離を置かれる一方になります。
会社は仕事をする場だからこそ、恋愛の前にまずやるべきことを確実にこなす姿が、よい人間関係を築くには欠かせません。
このケースでは、周囲からの冷やかしが消えるまで半年以上かかっており、その間男性とのコミュニケーションも取れないまま、片思いで終わっています。