「善意」のつもりが…
「うちの社用車にはいまだにギアがミッションのものがあり、オートマ限定で免許を取っている女性社員には不評です。
俺が好きな年下の後輩もそのひとりで、でも業務の都合でどうしてもそのクルマを使うことになり、『限定解除してきます』と言い出しました。
えらいなと思いながら応援していたらすぐに合格して、うれしそうに免許証を見せてくれたときはドキドキしましたね。
でも、教習所を卒業していきなり公道を走るのはまだまだ危なっかしく、俺が一緒に行けるときはいいけどほかの人が同行したときは『運転に時間がかかると言われた』と落ち込んでいました。
俺はクルマが好きで、普段乗っているクルマもミッション。これを機会にもっと仲良くなろうと『ミッション車の練習する?』と誘ったらOKしてくれて。
週末に約束して俺のアパートまで来てくれたのですが、社用車と同じ排気量でもいかつい姿のクルマを見たら彼女が尻込みしてしまい、『事故を起こしたらいけないから乗りません』と言われました。
俺が自分のクルマについてちゃんと説明していなかったのがいけなくて、『横にいるから大丈夫だよ』と言っても彼女は拒否し続け、結局そのまま帰ってしまいました。
次の日、同期から『○○さんがお前に自分のクルマを見せびらかされたって言ってるぞ』と聞いて、ショックでしたね…。
そんなつもりはなかったけれど、プライベートでも仲良くなりたいと思ったのはたしかで、彼女の気持ちをもう少し考えればよかったです。
同期にそう言ったら『○○さんからすればせっかくの善意だから断りづらいだろう。そういうときは社用車で練習するのが普通じゃない?』と呆れた顔で返されました」(男性/33歳/セールス)
男性にその気がなくても、行ってみたら自分には乗りこなせそうにないクルマを目の前にして「見せびらかされた」と女性が感じることは止められません。
本当に善意なら、同期の男性が言う通り実際に乗る社用車で練習するのが正解ですよね。
プライベートでも親しくなりたい下心があると、相手の気持ちを忘れて自分のアピールに走りがちになるのが注意したい点です。
プライベートでネガティブな印象を持たれると会社でそれを挽回するのは難しく、時間をかけながら改めて信頼を取り戻すことになります。
アプローチするなら、自分の土俵だけではなく相手の気持ちに添ったシチュエーションも、しっかりと想像したいですね。
このケースでは、男性が女性に一方的な誘いだったことを謝り、力になりたかったことを素直に話すことができたので仲がこじれずに済んでいます。