子どもたちのために…(女性/38歳/サービス業)
「契約している保険会社の担当の女性を口説いていた夫。
急に増えた平日の残業や週末突然出ていくことを不審に思い、スマホをチェックしたらLINEにやり取りが残っていました。
堂々とホテルに誘うメッセージが目に入ったときにものすごい嫌悪感が湧き、それをあしらわれているのも惨めで、『こんな男と夫婦なんて無理』と離婚を決めましたね…。
以前から、家事に協力しないことやふたりの収入を勝手に趣味につぎ込んで謝罪もしないことなど不満はいろいろあり、それでも別れることは考えずにやってきたけれど、この浮気が離婚の決定打になった感じです。
トーク画面をスクショで残し、夫の前では平然としながらひとりになったら引越し先を探していました。
記入済みの離婚届を夫に差し出しながら浮気に気づいている話をし、『ただの遊びなんだから謝る必要はない』と言い切る夫は予想内だったため、そのまま一週間後に引っ越しを決行、ふたりの子どもを連れて家を出ました。
離婚調停については以前から知っていて、自分が申し立てることは想像もしていなかったけれど、別居しながらあの夫と離婚を進めるにはこれしかないと思いましたね。
家庭裁判所から調停の呼び出しが届いたはずの夫はそれでも何も言ってはこず、そのまま最初の期日を迎えました。
離婚は拒否という夫の意思は変わっていなかったのですが、問題は子どものことで、調停中であっても月に2回の面会交流や学校行事への参加を申し出てきました。
夫はふたりの子どもについてはかわいがっていて、私が出ていったことより子どもと会えないつらさを調停委員に何度も話しており、複雑な気持ちだけど『それなら浮気したことを認めて謝ればいいのに』とも思うし、また調停委員から同じく謝罪を勧められても『ただの浮気を大げさにしている妻が悪い』と突っぱねるのを聞くと、やはり離婚しかないと思いましたね。
面会交流などは私も異論はなくすぐに決まり、離婚の話を進めながら月に2回夫と顔を合わせることになりました。
私と夫の仲が険悪なことを察していた小学生の子どもたちは、引っ越すときに何度も私に『お父さんとは会えなくなるの?』と聞いてくるのがつらかったけれど、調停のおかげで会う段取りがついたのはよかったと思います。
夫は家族で住んでいたマンションを引き払ってアパートに引っ越しており、そこまで子どもたちを連れていくときにどうしても会いますが、子を不安にさせないためなるべく穏やかに夫と話すことを心がけています。
面会交流が決まったせいで夫とはLINEでやり取りすることも復活しましたが、子どもたちの話題以外はいっさいせず、調停や離婚についてはまったく話していません。
ストレスがないといえば嘘になるけれど、離婚は親である私たちの事情であって、子どもたちが少しでも安心するのなら面会交流の大変さなど我慢できます。
夫との調停は続いており離婚の成立はまだ見えませんが、子どもの状態も考えながらしっかり進めていきたいです」(女性/38歳/サービス業)
別居して調停を進めている間でも、子どもの面会交流が決まれば配偶者と会わねばならないというケースもあります。
ふたりきりでないとしても気まずさや嫌悪感は避けられず、かといって子どもにそれを悟られるのも嫌となれば、ストレスに耐えるしかありません。
それでも、片方の親に会いたい子どもの気持ちを大事にする姿勢や努力は、調停でもプラスとなり何より自分が後悔しないために重要です。
面会交流以外の話はいっさいしないことが正解で、離婚と子どもたちについては意識して分けておくことが、不要なストレスやプレッシャーを避けるために欠かせません。
調停はどんな結末であっても時間がかかることが多いですが、自分のメンタルを前向きに保つのも離婚の成立には大切といえます。
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