子を持つ母にとっての新学期の憂鬱、それは「PTA」。
学校に通う子どもを陰ながらサポートする大事なお役目という大義名分ながら、実態は慣習にならった無償労働。さらに運が悪いと、ママ・パパ同士のトラブルまでおまけについてくるという厄介なシロモノです。
きょうは、そんなPTAにまつわるエピソードを紹介します。
沈黙タイムから始まった、地獄のPTA活動
PTA役員になることは、できれば避けたいと思う人がほとんどだと思います。
アサミさん(仮名)の長女が通う小学校では、新学期の最初に行う保護者会はいつもピリピリ。終盤になると、恒例の役員決めが始まります。
「みんなしたを向いて重苦しい地獄の沈黙タイムが続きます。うっかり顔をあげて先生と目が合ってしまえば最後、『アサミさんいかがですか?』と聞かれてしまうからです。したの子がいるからと途中で脱走するママもいて、どんどん数が減っていくなか、沈黙に耐えきれなかったママが苦し気に手をあげる…というのが毎年の慣習です」
そしてある年、アサミさんは沈黙に耐え切れず、役員をやるはめになってしまいます。それがPTA地獄の始まりでした。
ベテランママと一緒に活動。最初は楽しいかと思いきや…
PTA活動で一緒になったのは、アサミさんを合わせて4人。そのなかでもイトウさん(仮名)は、子どもが3人いて歴代PTA役員をやっているそうで、初めて役員をやるアサミさんにあれこれ教えてくれて頼もしい人だと思っていたそうです。
「『なんでも聞いてね』と親切に言ってくれるので、頼りがいのある人だなと思いました。おしゃべりもできるし、PTAってウワサほど嫌なものではないのかも…と少し期待をしながら参加しました」
アサミさんはクラス役員になり、1年を通じて、保護者が発行するおたよりの作成、親子イベントの開催などいくつか仕事がありました。
最初は初めて経験する作業が新鮮で、意外に楽しんでいたというアサミさん。「おたより印刷に使うわら半紙、懐かしいね」と盛り上がったりと、ママたちとの交流を楽しんでいたようです。