金利が上がって月々の返済額が2倍に…?
しかし、一転。アメリカの利上げにともない、韓国も金利を上げ始めました。
私のような無住宅(自家を所有していない)者にとっては、「金利上昇=定期預金の金利が上がる」と、喜ばしいことでしたが、銀行から融資を受けている人たちにとっては、銀行へ払う月々の返済額が上がるということです。
韓国の主要銀行の不動産住宅担保融資の金利はどんどん上昇し、一時は7~8%ほどにも達しました。
不動産住宅担保融資の金利が低かった時期に銀行から最大限の融資を受けて住宅を購入した場合、月々の返済額がおそらく当時の2倍近く上がってしまったと思います。
そしてなかには、利子を払えなくなってしまった人たちもいるでしょう。
この不動産住宅担保融資とは住宅を担保に銀行から融資を受けているため、月々の返済が2〜3カ月滞ると、銀行がその住宅を競売にかけてしまいます。
もちろん銀行から事前通知がくるので、その時点でどうにか延滞している額を返済すれば競売にかけられることは免れますが、なかには子どもの留学や家族の海外赴任などで海外にいて連絡を受け取ることができず、知らないうちに家がオークションにかけられていた…という例もあるそうです。
現在、不動動産住宅担保融資の金利はピーク時からは1〜2%ほど下がってきてはいますが、それでも平均5%~6%ほど。
さらに韓国は1年ほど前から急激に物価が上昇しています。コロナ禍後に久しぶりに韓国を訪れた方たちのなかには、急激な値上げに驚いた人も少なくないでしょう。
実際、コロナ禍前には1食5~7千ウォン(日本円で約500円〜700円)で食べられた定食が、現在は平均1万ウォン(日本円で約1000円)は出さないと食べられません。
外食費だけではなく、食料品・生活用品・光熱費など、すべてにおいて値上げが続いています。特に光熱費の値上げは著しく、今年の冬の我が家のガス代(オンドル)は、昨年より使用量を減らしたにも関わらず、1.5倍もの請求がきました。
韓国政府は今後も電気・ガス代を値上げしていくと発表しています。
このような物価の上昇が続けば、銀行へ利子を返済できず競売にかけられてしまったり、購入時よりも安い値段で家を売却せざるを得なくなるなど、マイホームを泣く泣く手放さなければならなくなる例も今後増えていくかもしれませんね。
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