こんにちは。神戸メンタルサービスの平です。私はセラピストとして20年以上活動し、年間60回以上のグループ・セラピーを、またこれまでに約4万件の個人カウンセリングを行ってきました。
相談を聞いていて、けっこうモテるタイプの女性でありながら、なにかと手のかかる男性ばかりと交際する人は割といるなぁと感じます。
友人からも「やめときなよ、また世話の焼ける男じゃん」と言われてしまいがち。
けれど、「かっこよくて、しっかりしていて、ちゃんと仕事をして稼ぐ男性は、私じゃなくてもっとほかのいいコと付き合うだろう」なんて思うようなのです。
こんな、いわゆる“恋の不良物件”を手にしてしまいがちな女性に多いのが、ものすごく大きなハートブレイクの経験です。
裏切られても傷つかない相手を選んでいる
なかでも多いのが、大好きだった初恋の彼にフラれ、その失恋の傷があまりにも大きく、「もうあんな思いはしたくない」と思ったというもの。
この思いがあると、万一、別れたり、フラれたりしても、それほど傷つかなくてすむような相手をパートナーに選んでしまいがち。
あるいは、子ども時代にパパとママが離婚して、大好きだったパパと会えなくなってしまったというような経験をもっている場合もあります。
「好きな男性は、いつか自分を失望させる」という思い込みがあるために、期待しなくてすむ男性ばかりを追いかけてしまったりするのです。
共通するのは、心ときめいたり、のめり込んだりするような恋愛をすることを自分に禁止していることと言えます。
自分と同じような経験をした人を選んでいる
ほかには、自分と同じようなハートブレイクの経験のある男性を、まるで過去の自分を助けるかのように、放っておけなくて付き合っているというような場合もあります。
ハートブレイクによって自信を失くし、女性に対しても臆病になり、「おれよりもっといい男はいるはずだ」などと言いがちなタイプの男性を、なんとか手助けしたいと思ってしまったりするのです。
この場合は、かなり年下の男性と恋愛に陥るというケースもしばしば見受けられます。
ハートブレイクして自信を失っている男性は母親のようなやさしさを求めており、彼女のやさしさはとても魅力的なのですが、どうしても母親を投影してしまうので、わがままになったりしてしまいがち。
彼にとっては、わがままを聞いてもらえたということが愛の確認になるので、本当に手のかかる恋愛になってしまったりするわけです。
母親を投影していることからは、レスになるケースも非常に多く見受けられます。
こんなことが続くと、「こんなに愛し、与えてあげたのに、報われない」という思いが募ります。
結果、ますます傷を深めるようなことになり、「ほーらやっぱり男はいつも私を傷つける」とか「男は私を失望させる」と思うことになることも多いのです。
ちなみに、このようなカップルは、フラれたり、失望されたりすることを双方が恐がっているように見えます。
しかし実は本当に彼らが恐がっているのは、「こんな自分を心から愛してくれる存在をもつこと」。そんな人いるわけがないと思いながら、そんな人を求めている状態です。
発するのはたえずダブル・メッセージであり、離れてはもとに戻り、もとに戻ってはまたケンカして離れる…ということを繰り返すカップルも多いようです。
「こんな自分を受け入れ、愛してくれる存在をもつこと」を恐がっているというのは不思議なものですね。